第133話
そして次に考えられるのが連邦国家の中心に位置する主教国家エイゼルからの干渉。
海神クサナギと言う名前でかなり名前が売れてる事もあり、教会関係からは干渉がある可能性が高い。
あと、考えられるのが海洋国家ルグニカの内政関係だがそれは総督府になったグランカスを含めた8人の奴隷商人たちがする事でありあまり積極的に関わりたいとは思わない。草薙自身の力は他の武芸者を比べても隔絶した力であり草薙便りだと居なくなった時に対応が出来なくなるからだ。
「ふむ……どのような問題だ?」
とりあえず話を聞かない分には話にならない。草薙はグランカスに話を促す。
「そうだな、その前にそこの料理屋で予約を取ってあるから飯にでもするか?」
「いや……いい。まずは風呂に入りたい」
そう、女になって嗅覚がするどくなった草薙にとって一週間お風呂に入れなかった事はかなりの拷問だったのだ。はやくお風呂に入って髪の毛を洗いたいというのは当然の帰結ともいえる。
「わかった、それじゃその後に飯でも食べながら話しをしよう」
グランカスの言葉に草薙は頷く。
そして2時間程すると総督府の名前で借りていた宿屋から草薙が出てきた。
「ひさしぶりだから生き返った」
グランカスとの邂逅一番の言葉がそれであった。
そして料理屋に入り個室に案内された草薙とグランカスはそれぞれのテーブル席に座った。
「で、俺が釈放された理由ってなんだ?」
草薙は出された水を飲みながらグランカスに話を促す。
「理由か、簡単に言えば婚姻の話だ」
「婚姻?グランカスが結婚でもするのか?つまりそれを破談させてほしいと?」
ふむ、俺が予想してたどれよりも違った。
これは予想外だな……俺の感も鈍ったってことか……。
「それなら話は楽だったんだが、婚姻はクサナギの事だ」
「は?」
唐突の事に草薙の思考は止まった。
せっかく婚約破棄してこの地に来たのだ。それが何故、また婚姻と言う話になるのか?
「魔法帝国ジールの宰相がレースを観戦してたらしい。それで昨日、転移魔法で書簡が届いた。そこには貴国の重鎮である草薙殿を次期皇帝の王妃として向かい入れたいと書かれていた」
「そうかそうか……よし!魔法帝国ジールを滅ぼそう」
草薙は決断した。そんなくだらない事を考える魔法帝国ジールなど必要ない。
たしかアプリコット先生に魔法帝国は数十万の兵士を抱えてると聞いた事はあったが、全面戦争でもして相手を壊滅させればおとなしく手を引くだろう。
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