第118話

しかし……もう倒した騎士の数はスメラギだけで240人近く、エルノだと200人近くなのにこんなんでレースをする都市の治安を守れるのだろうか?

スメラギの総督府はもう少し考えて騎士団を運営した方がいいと思うんだよな。

お金を寄付してくる分にはいつでもウェルカムだがな……。


そして翌日、俺は衛星都市スメラギに到着した。

もちろん正門なぞ通らずに壁を飛び越えて町に入った。




町に入ったのが夜を過ぎていた事もありかなり暗いと思っていたがあちらこちらにかがり火が置かれておりそこまで暗いと言う感じでもなかった。

わかりやすく言えば、夜の病院の廊下くらいか?そう考えると怖いな……。


もちろん今の俺の姿は、アクセサリーをつけてはいないが黒いドレスのままだ。

闇に溶け込むようなこんな姿をしてたらそりゃ……。


「そこの女!ま……まて!」


ほら、こんな風にナンパされたり警戒されたりするだろう。


「金のアクセサリーはつけてはいないようだが、顔を見せてもらおうか!」


とっても強引なナンパの仕方だ。それじゃモテナイぞ?

俺は男の顔を見てニコリと微笑む。


「ひぃいいいいいいいいい、クサナギだークサナギがでたぞおおおおおおお」


とても怯えた後に男の声で何十人も集まってくる。

なんだよ?ひいいいいってさ。俺が何か酷い事をしてる人間みたいじゃないか。

すかさず男に近寄り認識される前に男の腕を小手ごと生活魔法の洗濯を乾かす魔法を応用したウィンドカッターで斬り飛ばす。

そしてすかさずヒールをすると男の腕だけが治った。

さあ、ヒール講座の始まりだ。


明け方になる頃には、俺のヒール講座は一段落ついていた。

町中だというのに集まってきた騎士風の男は20人ほどだった。どうやら相当、人材工面には苦労してるようだ。スメラギの総督府もかなりブラックな仕事をさせてるのだろう。

人材が残らないというのは企業のタイマンだぞ?


俺は近くの建物の屋根の上に飛び乗ると港方面へ屋根を伝って走っていくことにした。

また下を歩いて時間がかかったら面倒だからな……。


最近、スメラギで俺が寝床として使ってる案新安全がモットーな奴隷館に近づくと俺とお話したことがある奴隷商人の手下が近づいてきた。


「クサナギ様、グランカス様は会議室でお待ちです!」


「そう、ありがとう」


さすがはグランカスだ。多少日程がずれてしまったが俺が来たことを察していたようだ。

事務所の2階にある会議室へ足を踏み入れるとグランカスだけではなく残りの奴隷商人達も座っておれを待っていた。

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