第11話

「そうですか。ですがこれは王家と公爵家のみの秘密と言う事にした方が宜しいかと思いますが?」


「シュトロハイム卿が心配になる気持ちは分かるが「秘密を共有する者が増えればそれだけ情報漏洩の可能性が高くなるからです、ユウティーシアの事は関係ありません」」


「―――お父様、皆様は一体?」

 俺の質問に、婚約者を決めたオジサン以外の2名が視線を向けてきた。


「シュトロハイム卿の娘とは思えないほど愛らしい顔をしている。小さなレディー、私の名前はエルド・フォン・ウラヌス。エルドと呼んでいいんだよ?」


「私の名前は、レヴァン・フォン・ハデス。レヴァンと気軽に呼んでくれ」


「うむ。それでは私がリースノット王国の国王グルガードと言う。君の将来のお義父さんだな」

 グルガードが笑顔を俺に見せてくるがどうしたものか。


「レティ、挨拶をしなさい」

 お父様は小声で俺に言ってきたので小さく頷き


「国王陛下様並びに公爵様方。初めまして、私のユウティーシア・フォン・シュトロハイムです。ふつつか者でございますが、ご指導ご鞭撻を賜わりますようお願い申し上げます」

 アプリコット先生に習っていたカーテシー着きの挨拶をする。国王陛下も2名の公爵もお父様まで驚いた顔をして俺を見ていたがどうしたのだろうか?


「――――――これは、ずいぶんと礼儀を仕込んでいらっしゃるのですね」

 ウラヌス卿が驚きながらもお父様に向けて言葉をかけた。


「これで5歳?本当なの……か?シュトロハイム卿どうなんだ?」

 ハデス卿も驚いているようだ。まぁ中身は50歳超えてるからな……。


「5歳なのは本当だ。ステータスは少しおかしいがな」

 お父様の代わりにグルガードが答えていた。そしてグルガードが執務室の机の上から石版を取ってウラヌス卿に渡していた。


「知力が163?成人男性でも平均20、学者でも35もあれば高い方なのにそれを超えてるなんて……天才か?」


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