第0068話 新ボラコヴィアの新統括神官
震災翌日の朝、新ボラコヴィア。
朝食用として町の人たちにはミックスサンドを2つにコーンポタージュスープ、バナナ1本をワンセットにして
全員を神殿
この国の庶民の一日の食事回数は、朝・昼・晩の三食ではなく、朝と夕の二食が一般的らしいが、今日の夕食以降は各自で用意してもらう。
俺たちがする食糧支援はこの朝食までだ。
それで大丈夫かと思うかも知れないが……
大型ショッピングセンターに食料品から衣服、生活雑貨等々、生活に必要となる商品を大量に生成して
そして、この町の大人と子供、男女の区別なく全員に、
だから、大丈夫なはずだ。
弱者や子供たちの
その点については、各自治会長には子供や弱者の
だがそれだけでは多分不十分だろう。だから全員の、何らかの行動を起こそうと思った時に呼び出されるイベントに、行動を監視して
本当は、そんなことをしようとするヤツは、灰になりながら
新ボラコヴィアの人たち全員に
この町を警備しているのは今までも神殿騎士のみだったから特に影響はないかも知れないが、念のため警備用の騎士型ゴーレム500体を生成し、この町の神殿の命令に従って行動するようにプログラミングして
要所とは、この町の東西南北にある門や神殿、
これでこの町から俺たちが離れても大丈夫だろう……
◇◇◇◇◇◇◇
いよいよダンジョンへ戻ろうかと思ったときである。
この町の神殿関係者の全員がぞろそろとやって来た。そして、その先頭を歩いていた男が口を開く……
「いひひひひっ、上様。
この度は町をお救いいただき誠にありがとうございました。
今後はこの
そうだ。その問題が残っていた。新しい統括神官を決めなければならなかった。
この男、グルガーはだめだ。魂の色はオレンジ色。こんなヤツに任せるわけにはいかない。ゴーレムの指揮権を渡したら何をやらかすか分かったモンじゃない。
「俺は
「え?わ、
な~んか
「それは誰が決めた?」
「だ、誰がって……そういうものでしょう普通は?ねぇ、みんな!?」
そう言うとコイツの後ろに
神官たち神殿関係者は困ったような顔をして
俺は神殿関係者全員の魂の色を見ている……
この男以外は、最も悪い色でもグリーンだ。他はみんな善良な者たちと言ってもいいだろう。
ん?ひとりだけ魂の色が"スカイブルー"の者がいる。
25歳の女性で名前はリガーチャ……すごい美人だなぁ。この世界で出会う心の
心の色と美人とは何か
いずれにせよ心の
「グルガーよ、統括神官をやる気になっているお前さんには悪ぃんだがなぁ……、お前さんに統括神官を任せるわけにはいかねぇんだよ。悪ぃな、
次の統括神官はもう決めてあるんでなぁ」
「え!?そ、そんなのは
威圧する。
「なにぃ?俺の決定には従えねぇって言うのか?てめぇ……死にてぇのか?」
「ひぃぃぃぃぃっ!……め、
そ、それで誰を次の統括神官になさるおつもりですか?」
「リガーチャ。前へ」
リガーチャはひどく驚き、そして、当惑しているようだ。
俺はリガーチャの方を真っ直ぐに向いて、その目を見つめながら
「リガーチャ、お前さんだ。こっちへおいで……。お前さんをこの町の新しい統括神官に任命する。引き受けてくれ!」
「え?ええっ!?わ、私がですかぁ!?無理!無理!無理!無理!無理ですぅ!」
「ね!?ほらぁ、本人もああ言っていますし、あんな女じゃ絶対に無理ですって。
「だ・ま・れ!」
「ひぃぃぃぃぃっ!ご、ごめんなさい!ごめんなさい!」
強烈に威圧してやったのだ!
神殿関係者に聞く……
「みんなは知っているよなぁ? この子は心が
全員がうんうんと
「俺はそんなお前さんになってもらいてぇんだよ。ダメか?」
「わ、私は
「治癒神術が初級だからって統括神官ができねぇ理由にはならねぇだろう?」
「う、上に立つ者の能力が低いというのは組織をひとつにまとめるための吸引力に欠けるというか……能力の高い方々がきっと不満に思うんじゃないでしょうか?
自分より能力が低い者が
「なーんだ。そんなことか?ならばお前さんの能力が高けりゃ問題ねぇんだな?」
「それに……私、
まあ、それは自分に自信が持てて、
「あのな。まず能力の件だが、それは大丈夫だ。俺がお前さんを
「え!?わ、私は上様のお嫁さんになるのですか?」
ああ……なんでなんだ!
"俺が加護して庇護下に置くこと=嫁にする"という式でも世間に出回っているのだろうか……。
「いや。なんでそうなるんだよぉ?
加護して俺の庇護下に置くだけだぜ? 嫁になれとは一言も言ってねぇぞ?」
「そ、そうですかぁ……で、ですよね~、私なんかじゃ無理ですよね……がっかりですぅ。ちょっと期待しちゃったなぁ……とほほ」
リガーチャは肩を落としてうなだれた。
なんかごにょごにょ言っていたが、最後の方の言葉がよく聞き取れなかった。
「お前さんのような美人で心がすっごく
リガーチャの顔に笑顔の花が咲く……
「そこなんっすか!?ダーリン、そういうことっすか!?
リガーチャさんが綺麗だから、結局
「ぎるてぃ!嫁にするための準備行為と断定!」
ウェルリとジーだ。どうやら誤解しているらしい……。
「そ、そんなつもりは一切ないぞ!この町の統括神官になって欲しいだけだ!」
「一切ないっ!?がはっ!……しょんぼり……ぐっすん……うう……」
リガーチャが大ダメージを食らったかのようにその場に
顔色は真っ青だ。そして、肩を落として泣き出す……。
「あーっ!リガーチャさんを泣かせたっす!ダーリン、
「
「へっ?な、なんで?なんか酷ぇことを言ったのか、俺は?」
「ダーリン、
それなのに嫁にするつもりは一切ないとは……とても
「へっ? ザシャア、そうなのか? 信仰と恋愛は別じゃねぇのか?」
「みんなダーリンの嫁になりたいって思ってますよぉ~。当たり前ですぅ」
ソニアルフェの言葉に、ここにいる女性たちがすべて大きく何度も
こ、これはやっちまったな……マズい!
「い、いや、『そんなつもりは一切ない』と言ったのは、なんつうかぁ……言葉の
こ、こんな美人で心が綺麗な女性を嫁にしたくねぇヤツなんていねぇよ。
世の男どもはみ~んな彼女に
そんなリガーチャにはもうきっといい人がいるに決まっているじゃねぇか。
そこへ俺が嫁にしてぇと言ったら、リガーチャが困っちまうだろう?
だから、
うん、そうだ!そうだとも!」
「えー!?とってつけたかのようっすね!本当っすかぁ?怪しいっす!」
「そう。
「
「それで、シン、本心はどうなの?
彼女をハーレムメンバーに加えるつもりはあるの?それともないの?」
ユリコの言葉に"
「そ、そりゃぁ、嫁になってくれるんなら嬉しいぜ。こんなに魅力的な女性なんだからなぁ」
リガーチャの顔に希望の光が差す。
「だが、まだ知り合ったばかりなんだぜ?
男の俺はいいけどよ、女性は
「あのね、シン。人を愛する気持ちって考えてどうこうなるようなことだと本気で思っているの?ダメねぇ……こういうことはパッションよ!」
確かに、論理で結論が出る問題ではないな……。
「まだ知り合ったばかり…って、オークドゥのように一目会った瞬間に恋に落ちることだってあるでしょ? あなた、言っていることがナンセンスよ。違う?」
うっ!そう言われると返す言葉もないな……。
しかし、ユリコの言葉
「確かに……そうだな。リガーチャ、俺に
「は、はいっ!子供の頃からの夢でした!
それに今回、上様のお姿を
お嫁さんになりたいですっ!」
リガーチャの目はキラキラ輝いている。
ユリコが肩をすくめながら目を
「これでまたあなたの……なんだっけ、ピチピチギャルハーレムだっけ?
そのメンバーが増えるわね。良かったじゃないの」
「ユリコさん、違うっすよ。
リガーチャさんは25歳っすから、ピチピチじゃないっす!」
「ぐはっ!……」
ウェルリの言葉がリガーチャの心にクリティカルヒット!
リガーチャが落ち込む。
「そう。ピチピチじゃない」
「う、ぐはっ!……」
ジーの言葉がリガーチャの心に追い打ちをかけた!
リガーチャのライフはもうほとんどゼロに近い。まるで口から魂が抜け出そうに見えてしまう。
「そうかぁ?俺はリガーチャはちょうどいいくらいにピチピチだと思うけどなぁ。すっごく魅力的だぜ」
リガーチャのライフが一気に回復したかのように元気になる!?
「リガーチャさん、そのままがいいのでしたら別ですが……。ダーリンから加護を
「え?そ、そんなことがお出来になるんでしょうか?」
リガーチャの目がらんらんと
「ああ。それがいいっすよ。それでピチピチになれるっす」
「そう、
「あ……ああ。できるよ。ただし、
「だ、大丈夫です!私はヴァージンですからっ!」
「そ、そうか……それならそうしようか。今のお前さんが放つ大人の女性の魅力も
「え?……」
リガーチャに
「わ、若返らせて下さい!お願いします!」
リガーチャは両の
俺は
「お、おおぅ……わ、分かった。希望通りにしよう」
リガーチャの顔にこれでもかっ!……というくらいの笑顔の花が咲く!
一度は
リガーチャは他のハニーたちと談笑している。彼女は
ああ。もちろん、ハニー
この後、彼女を
リガーチャには当面、この町の統括神官をしてもらうつもりだ。彼女には毎日、俺たちのもとから転移で通勤してもらう。
神殿騎士数名と、ゴーレムとミニヨンをそれぞれ数体、彼女の護衛として付けるつもりではいるが、彼女にもある程度は強くなってもらわないといけないと考えている。
だから、
相手に神術等々の練習をしてもらう。
他のハニーたちは練習、及び、実戦経験を積んだことでかなりレベルアップしている。個人差は当然出てきているが、全員がハニー仕様のステータス初期値よりもかなりレベルアップしている。
いずれリガーチャにも他のハニーたちと
それゆえダンジョン第7階層ボス部屋では彼女を
しかし、統括神官を決めるだけのつもりだったのに……、
なんか知らんけどいつの間にか嫁がひとり増えてしまった。
どうしてこうなったのか……???だ。
ん!?次の統括神官になるつもりでいたグルガーが
こういう
リガーチャや他の神殿関係者に何かちょっかいを出してくる前に手を打っておく必要がありそうだな。
「グルガー、お前さんは不服があるんじゃねぇのか?」
「ど、どうせ不服を申し立てても、私奴が統括神官になることはないんでしょう?
でしたら、誰がなろうと一緒ですし、言っても
「そうか……後で何か言っても
威圧する。
「
「ひぃぃぃぃぃっ!わ、分かりました!分かりましたとも!」
信用はできない。
『ナノプローブを転送注入。何らかの行動時に呼び出されるイベントに……』
そう。いつものように、イベントハンドラをイベントに割り当てて、
「リブート!」
グルガーがまるで糸の切れたマリオネットのようにその場に
「……はっ!?な、何が起こったんだ?」
「お前さんが何か良からぬ事を考えると灰になって死ぬようにしてやったんだ。
だから、くれぐれも妙な気だけは起こすなよ。確実に……死ぬぜ」
グルガーは逃げるようにこの場を去って行った。
その日の夜グルガーは、ボラコヴィアの神殿、統括神官の
◇◇◇◇◇◇◆
時を元に戻そう……グルガーが去って行った直後だ。
「あのう……私たちはこれからどうしたらいいのでしょうか?」
シオン教徒の女性たちだ。
「どうしたらいいって、お前さんたちはどうしてぇんだい?
シオン神聖国に帰りてぇってんなら転送してやるぜ」
「シオン様への信仰心が
他に行く
「この町に住んでもらってもいいが、問題はどうやって収入を
彼女たちはプロパティ等を調整して一般的な
それに、彼女たちが元シオン教徒だったことは知れ渡っている。普通の職業には
この町の人々の役に立つような仕事に就いてもらうことで人々に受け入れられるようにお
さて、どうしたものか……人々の役に立つ仕事で……元魔導士かぁ……
そうだ!彼女たちには医師に……というか人々の怪我や病気を治す
「どうだい?この町の神殿で治癒魔法師というか、治癒神術師として町の人たちの健康を守る仕事をするってぇのは?」
「え?でも……ご
「ああ。だから、治癒系神術が使えるようにしてやろうと思う。
ただし、女神シオンへの信仰を
「こ、こんな私たちにまでお
「どうだい?魔導士だったお前さんたちには向いている仕事に思えるんだがなぁ?
それに、この町には治癒系神術使いが少ねぇからお前さんたちがなってくれると助かるんだがなぁ。やってくれねぇかなぁ?頼むよ」
「た、頼むだなんて
町の人々も初めは
彼女たちのプロパティ等を編集して、治癒系の上級神術のみが使えるようにすることにした。治癒系神術なら、たとえ
まぁ……魂の色から判断する限りにおいては、万が一にも彼女たちが悪意を抱く可能性はないとは思うんだがな。
今日、ここに国内でも神都に次ぐ
数年後、他の町や外国から治療に訪れる人々によって落とされるお金がこの町の貴重な収入源となっていくのである……。
◇◇◇◇◇◆◇
なんだかんだでお昼近くになってしまった。
さあ、今度こそ本当にダンジョンに戻ろうと思っているところに
『神様!た、助けてーーっ!お願いです!助けてっ!』
マップで確認するとこの新ボラコヴィアの西方10kmほどの位置にある村から発信された念話であることが分かった!
どうやら50人ほどの
「ハニーたち!俺はこれから盗賊に襲われている村へ助けに行く!
ノアハ!
シェリー、指揮を
オークドゥ!ハニーたちを頼む!守ってやってくれ!」
"はいっ!"
ノアハと翠玉が俺に抱きつく……
「それじゃぁ、行ってくる!……転移!」
◇◇◇◇◇◆◆
"ひゃっほほほーーぃっ!""ガハハハハハハッ!"
"きゃぁぁぁぁぁぁぁーーっ!””うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……"
「家に火を
目の前に
人口200人ほどのこの村はおおよそ50人ほどの盗賊たちによっていいように
「翠玉!敵のボスを生きたまま捕まえろ!」
「はっ!」
<<全知師!
魂の色が赤以下の悪者たちをターゲット指定しろ! 急げ!
>>承知!
魂の色による検索を開始……検索完了!
ターゲット指定開始……ターゲット指定完了!
次の指示を待機!
<<よし!後はこっちでやる。ありがとう!
「ボスを確保しました!」
「よし!翠玉、良くやった!そいつを連れてここに戻ってくれ!」
「はっ!ただちに!」
「ノアハ!これから盗賊たちを中央にある広場へ転送して、シールドで
「
「転送!」
「転送を確認!……烈火の壁!」
とまあ……こんな感じであっさりと盗賊たちを
ボスを生きたまま捕らえたのは、コイツらのアジトへと案内させるためだ。
その前に生存者を村の中央広場へと転送してからすべての火災を消火し……
その後、焼けた家を修復して、盗賊たちに殺された者たちをすべて
「ああ……我らが神よ。ありがとうございます!私は村長のルルメイです」
「ああ。
「はい」
村長のルルメイは後ろに
「誰か
みんな首を横に振っている。大丈夫なようだ。
「この野郎!ぶっ殺してやる!」
ひとりの村人の男がバットくらいの大きさと太さの木の棒……こんぼうを右手に
俺は男が
「待て!お前たちが
盗賊のボスに
「と、盗賊のアジトなんてどうでもいいじゃないですかっ!コイツをぶっ殺させて下さい!お願いします!」
「あのなぁ……アジトへ案内させるのには2つの理由がある。
1つは、
そして、2つ目はコイツらの仲間がまだ残っているかも知れねぇからだ。残っていたら、すべてぶっ殺し、コイツらを
だから、コイツをここで殺させるわけにはいかねぇんだよ。分かったか?」
「ん……ぐぐっ……くっそう!わ、分かりました」
「おお、そうか。すべてが終わったらコイツはサンドワームの
「へっへっへっ!誰がアジトの場所を
「おのれぇーーっ!上様に向かってなんという無礼な!
ぎゃあああぁぁぁぁぁぁっ!痛ぇ!痛ぇ!痛ぇ!痛ぇ!痛ぇ!痛ぇ!痛ぇ!
「あ、ノアハさんに先を越されてしまいました。ダーリンをバカにしたコイツには私も
ですから……修復!……そして、
ぎゃあああぁぁぁぁぁぁっ!痛ぇ!痛ぇ!…………
盗賊のボスは
「修復!」
ベグシャッ!ブシューーーーッ!……ゴロンゴロン……ゴロン。
"きゃぁぁぁぁぁぁぁーーっ!"
ああ……またやっちまった……
盗賊のボスの身体を元に戻したが、まだ気絶していたので
ボスの顔は
頭がもげたあと一瞬の間を置いて吹き出したボスの血であたりは血の海になっている。村人の女性たちからは悲鳴が上がった。彼女たちは顔を両手で
「う、上様……私たちに殺すなと
「あ、ああ……つい力の
さっきこんぼうを振りかざした男から指摘されてしまった。
「修復!からのぉ~
"おおおぉぉぉぉぉーーっ!""き、
村人たちから
さっきも殺された村人たちを
「はぁはぁはぁ……」
「てめぇのアジトには
「ああ……いねぇよ……」
嘘である。バカなヤツだ。
「四肢粉砕!」
ぎゃあああぁぁぁぁぁぁっ!痛ぇ!痛ぇ!痛ぇ!痛ぇ!痛ぇ!痛ぇようっ!
「嘘は通じねぇって言っただろう?バカが!……修復!」
「はぁはぁはぁ……い、いやす。いやす。女を3人捕まえてありやす。じょ、
「上玉?それじゃぁ、手は出してねぇんだな?」
「ああ……もちろんでやす。商品価値が下がりやすからねぇ……げひひひ」
「女性を商品だとぉ!?ふざけるなっ!四肢粉砕!」
ぎゃあああぁぁぁぁぁぁっ!痛ぇ!痛ぇ!痛ぇ!痛ぇ!痛ぇ!痛ぇっ!
「修復。……やいクソ野郎!それじゃぁアジトに案内してもらおうか?」
「はぁはぁはぁ……ああ、分かりやしたよ。ちゃんと案内しやすよ。
だから、そのししなんちゃらってのはやめてくだせぇ~。頼みやすからさあ」
「ああ。てめぇが
◇◇◇◇◆◇◇
盗賊のボスに案内されたのは先ほどの村の北5kmほどの位置である。
深い森の真ん中にある
岩山の麓にはちょっと見では分からない
アジトにはまだ盗賊が10人ほど残っていたが、
「て、手下の者たちは一体どこへやったんで?」
「ん?気になるか?お前さんもすぐに仲間のもとに送ってやるから心配するな」
「え?そ、それはどこなんでやす?」
「砂漠地帯にあるサンドワームの巣の中だよ。今頃はきっとサンドワームの腹の中だろうがなぁ。ははは」
盗賊のボスの顔は真っ青だ。ガタガタ震えてもいる。
「さあ、女性たちのところへ案内しろ。分かっているだろうが、妙な気は起こすんじゃねぇぞ?」
「わ、分かっておりやすって!も、もうあの痛みは
ほら、あそこでさぁ。あの
岩陰には確かに牢がある。
そして、その中には
俺とノアハ、そして、
そして、俺たちが
盗賊のボスはサッと身を
次の瞬間……
ガラガラガラガラ……ズッドーン!、ガゴーンッ!ドガッ!ガラゴロガラ……
「ガーハッハッハッハッハッハァーーッ!死ねっ!」
俺とノアハ、翠玉、そして、3人の女性たちは
タッタッタッタッ……
盗賊のボスらしき足音が遠ざかっていく……
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