3.僕はその場から逃げようとした。
が、魔物は光線を放って、僕の周囲を焼き払う。
完全に万事休すだ。
「なあ、君、女神なんだろっ?何か無いのか!あいつを追い払う手段は?」
「無いです。だって、私はこの世界を見守るだけの存在ですもの。」
「落ち着て言ってる場合かあー!」
ヘラヘラ笑ってる自称女神を怒鳴りつけてしまった。
こんな女の子に怒鳴りつけるなんて、紳士的じゃないが、何しろ切羽詰まっている。
「大丈夫ですよ。何とかなりますって。救世主たる貴方がこんな所で死ぬはずないですもの。」
自称女神は呑気に微笑んでいる。
「そんな無責任な・・・」
バジュウと音が鳴り響いて、僕の目の前のアスファルトの地面が、焼き溶けた。
目の前には僕らに敵意を持つ光玉が、まるで僕らを睨み付ける様に、浮遊している。
光体はバチバチ音を鳴らして体から蒼白い光を発している、あの閃光の発射体制だろう。絶対絶命だ、何も出来ずに僕は立ちすくんでいる事しか出来ない。
そして、閃光は発射された。アスファルトを焼き溶かした閃光が僕に向かって発射された。
全て出来事がスローモーションに見える。
閃光もスローモーションに見える。
ゆっくりゆっくり閃光が僕に近づいて、そして、僕が何も身動きも出来ず、その閃光に当たって・・・
パギンッ!
僕らの目の前で何かが弾ける音がして、光で覆われた。
・・・僕は、あの閃光を浴びて・・・痛くない・・・?
「大丈夫?怪我は無い?貴方。」
僕の目の前には人影が立っていた。
その人影は赤い服・・・、何かのアニメのコスプレみたいな服を着ている。胸元には大きなリボン、ミニスカートにステッキを持っている中学生ぐらいの女の子だった。
「き、君は・・・」
僕が問いかけると、赤いコスプレの少女は、僕に向かって、手で制して
「説明は後!。今はあの魔物を退治するから!」
と、青い光体の方を向き、
「さあ、来なさい!やっつけてやるわ!」
と、ステッキを光体に向ける。
青い光体は、少女の挑戦を受けたかの様に、青い閃光を乱射する、
「効かないわよっ!」
少女と僕らの周りに赤い光の壁が突然出現し、閃光を弾く。
少女は軽くステッキを円を描く様に振り
「燃えちゃいなさい!」
と、叫んだ途端、少女の目の前に3メートルはある火球が現れ、青い光体に向かっていった。
火球が衝突し、青い光球は木っ端微塵に炎上したのだった。
「どんなもんだい、カッコ良かったかしら?私?」
敵を始末して、少女の方へ振り向きウインクする。
「あ、ああ、うん。スゴく良かったよ。助けてくれて有難う。ええと・・・
き、君は何者なのかな?」
僕は、この謎の少女に訪ねてみた。
「私は、菜野葉まどか。魔法少女よ。」
目の前の魔法少女はニカッと微笑んだのだった。
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