第5話 覚醒
国同士の厄介ごとに巻き込まれ中のノワです、こんばんは。
夜になっても状況は動くことは無く今日も終わりの様相。夕食が運ばれてきたときに、アダマント王国から一緒に来た側付きのメイドに給仕させるようにアガット教国側に要請。先ほど夕食を終えて、部屋にあるシャワーで体を綺麗にした後、切り揃えられた母様に似た金色セミロングのサラサラ髪をメイドに乾かしてもらい、寝る準備が出来たところで、側付きが退出。
振り返ると本当に色々あった。拘束初日、つまり友好条約締結のため、会談が行われる当日に、アガット教国側の襲撃でアダマント王国側は攻撃をしないことを条件に投降。
外務大臣や母様など、重要人物は1人1部屋、護衛やメイドなど側付きなどは分かれて幽閉されることになったが、母様が私を一緒の部屋にいることをアガット教国側へ要請すると、私が母様の娘であるということで、これを拒否。
周りの国にも知られているらしいのだが、アダマント王国王家の血筋は先天性の強力なスキルを持つものが多いらしい。
それを警戒してアガット教国側の外交を取り仕切っているだろう人物は拒否したのだが、私が先天性スキルを持たないことを説明すると、神殿で行うことができる神託鑑定を受けることを条件に出した。アガット教国側は母様が断るだろうと思っていたらしいが、これを母様は承諾。
アガット教国側も拒否前提とはいえ、特使で来たアダマント王家次女である、第2王女に口約束であるが言った手前、引くことが出来ず教皇へ確認後、私が神託鑑定を受け、先天性スキルが無いことが確認されて、今ここに母様と一緒にいるという流れだ。
本来は幽閉後、すぐにアダマント王国へ対応するために色々やることがあっただろうけど、母様の要請により、多少ごたついたのは時間を引き延ばすための母様の策略かとの声も聞こえてきたが、絶対ただ私と一緒にいたいってだけだと思うな。
それで結局午後の調印式から幽閉、神託鑑定、部屋替えなどなど、無抵抗の投降を条件に母様はやりたい放題だったらしいから、いい気味だ。
さすがに色々ありすぎたせいか、この6歳の体が休息を求めているようで、目蓋が重くウトウトしだしたので、母様に促され一緒のベッドに入る。
こうやって誰かと一緒のベッドで寝るのは、前世の時にはなかったので、思い出した今はちょっと違和感があるが、こっちの記憶とも混じり合って、そのうちいい感じになるだろう。
ベッドに横になり、目をつむるとやはり疲れてたのか、数分で眠りについた。微かに母様のおやすみの声が聞こえた気がしたが、微睡の中、深い眠りに落ちていくのだった。
『該当人物の活動休止を確認。創造神アルファルドの権限において、該当人物及び周囲の一時的世界減速を実行。現一時凍結案件であるスキル干渉について、スキル神ミザールより異議神告について創造神アルファルドおよび、該当人物の前世界創造神「
『該当案件、通称「ノワール」と定義。ノワールによる
頭髪:金↔白
左目:金↔赤
体型:6歳児→13歳相当
経験値取得率:平均より5割減
Level上昇時能力値変動:平均より3割増
スキル獲得:全スキル改変
スキル能力:変異前能力低下↔変異後能力上昇
名前 ノア・アダマント
種族 人族→呪人族
性別 女
年齢 6歳→13歳
Level 1
【STR】F→E
【VIT】F→E
【DEX】F→E
【AGI】F→E
【INT】E→D
【MND】E→D
【LUK】F→E
スキル
【鑑定】Lv1→【鑑定(呪)】Lv1
NEW【真眼】Lv1→【呪眼】Lv1
NEW【変装】Lv1→【変異】Lv1
称号
【転生者】【呪神レグルスの加護】【改眼】【異種族】
『ノワール全案件履行に伴い、改変前コピーとの互換を実行……完了しました。創造神アルファルドの権限による世界減速を解除します』
私が目を覚ましたのは、幽閉された日の2日後だった。
母様が朝目覚めたときに、私を見ると体が13歳の中学生体型まで成長していたことで、朝から大騒ぎになったが、その騒ぎの中でも私が起きなかったので、さらに騒ぎに拍車を掛けた。
アダマント王国から連れてきた治癒系のスキルを持つ治癒師に見てもらっても、原因がわからずただ眠っているだけ。とりあえずは回復スキルや解毒スキルを使ってみたものの効果はなし。
眠っているだけで、すぐに何かなるわけでもないということで、要観察ということになるが、これだけ騒ぐとアガット教国側もさすがに気づく。
アダマント王国と交渉に当たっている人物から、診察や治療の提案がなされるも、むしろアガット教国側で何かしたのではないかと疑いがかかる。
私がアダマント王国側から離れたのは、神託鑑定時しかない。あれもアガット教国側が先天性スキルを恐れたため、提案されたことだし、それ以外は普通だったのだ。
もちろん神託鑑定以外のことはしていないと否定したが、現状の事が事だけにアガット教国側が強く出ることが出来ず、とりあえずとばかりにのらりくらりと否定したまま退散した。
私が目を覚まさないせいかおかげか、言い方はどうでもいいが、幽閉に関しての監視状況が緩和された。
私と母様の監視は私の状況監視もあるだろうがあまり変わらなかったが、側付きのメイドや治癒能力スキルを持つアダマント王国側の要人は、出入りが自由になった。
これが私が寝ていた時の状況らしい。2日後に起きた時は母様に泣きつかれ、側付きのメイドやアダマント王国側の人達も安堵の息をもらしていた。
私的には寝て起きただけだったので、何が起きたかわからず、前世では心配されるという状況がなかったので、寝起きの頭では何が起きたかさっぱりで、ただただオロオロしていたと思う。
母様から寝ていた2日間の状況を聞いて、治癒師に診察してもらい、問題ないとお墨付きが出て、やっとゆっくり出来る状況になったのは、夕ご飯を食べ、2日ぶりのシャワーを浴びているときだ。
鏡に映る中学生位になった自分の体を見ながら、体に異変が無いか調べる。
異変という考えにスキルが反応した気がして、自分のステータスを見てみる。
名前 ノア・アダマント
種族 人族
性別 女
年齢 13歳
Level 1
【STR】E
【VIT】E
【DEX】E
【AGI】E
【INT】D
【MND】D
【LUK】E
スキル
【鑑定】Lv1
NEW【真眼】Lv1
NEW【変装】Lv1
称号
【転生者】【呪神レグルスの加護】【改眼】【異種族】
能力値が軒並み上がり、2つの新しいスキルと称号が増えていた。反応したスキルはどうやら【変装】スキルのような感覚がある。
【変装】
服装や髪型などを変えることで、通常よりも気づかれにくくなる。隠密性に上昇補正。
※【呪神レグルスの加護】により変異前能力低下。隠密性補正消滅。【変装】スキルは【変異】スキルの偽装スキルとして改変されています。
『【変異】スキルを発動しますか?』
【変装】スキルを調べただけなのに、なんか色々出てきた。変異前とか補正消滅とか色々情報が多すぎる!
とりあえず世界の言葉に発動の同意を示す。
鏡を見ると白い髪に左目が赤い人物が、目を見開いてこちらを見ていた。
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