第17話:ドイツで医者から診断された僕の病気

隔離病棟へ戻ったその日、

殆ど一緒の顔ぶれだった。

いつも窓際に座って外をみる老婆

ホールにある椅子に座るおじさん

ぶつぶつ話しながら廊下を行ったり来たりする若い男

ここには2週間程居たが、何も変わっていない。

僕は看護師へつれられそのまま同じ病室へ移動した。

今回のルームメイトは、ロシア人だ。

取り合えず挨拶をした、自己紹介だ。

彼は無表情で言った

何とかフスキーと言っていた、聞き取れなかった。

取り合えず、

僕は疲れたから、看護師から睡眠薬と精神安定剤を貰い飲んで寝た。


翌日僕は少し調子が良かった、寝た事と、精神安定剤が効いたんだろう。

朝食が済み、薬を飲み終えると、医者のマークから呼ばれた。

彼のオフィスへ行くと、相変わらず書類の山だった。

忙しそうだ。顔が疲れている。

コーヒーを片手に会話が始まった。


マ:「久しぶりだね」

僕:「ただいま、相変わらず忙しそうで」

マ:「そうだね、ここは本当に忙しい職場だよ」

僕;「医師一人で見る量じゃないですね」

マ:「気づいてたんだ」

僕:「職業病で観察してしまうんです」

マ:「そうか、君みたいな観察力を持つ上司が欲しいよ。さて、本題を話そう」

  「君は薬が効いていない様だね」

僕:「らしいですね」

マ:「自覚が無いのか?」

僕:「全く…比較する為の良い時が思い出せないんで」

マ:「そうか…病気についてだが」

  「私達は君の病気を鬱病だけではないと断定したんだ」

  「過去の記憶した内容が実際に起きた事と違っていたりした事」

  「これは統合失調症の症状なんだ」

僕:「実感が無いんですが…」

  「全ての記憶は何らかの誤認が生じてるんですか」

マ:「それは正直分からない」

僕:「そう…ですか」

マ:「投薬で治療可能で、それがオランザピンだったんだ」

  「デュロキセチンともう一つ追加するよ」

  「炭酸リチウムだ、効果は感情の起伏を安定させる薬だ」

  「ただ、これは投与に本人のサインが必要だからサインを」

僕:「分かった、ではサインします」

マ:「この薬についてだが、カフェインの摂取は止めてくれ」

  「血便が出た時は直ぐに看護師に報告してくれ」

  「水分補給は多めにする事、1日2リットル以上の水を飲んでくれ」

  「簡単だが、この3つを守れば問題ないよ」

  「あと、この薬を投与すると、太りやすくなる」

僕:「分かりました。今日から投与をお願いします」

マ:「次にだけど、君の鬱病は父親の死から始まってると僕たち医師は思っている」

僕:「そんな長い期間?おかしいですよ、それなら何故僕は長期間何もなく過ごせ  たんですか?」

マ:「無視をしてたんじゃないかと思う」

  「重度の鬱病患者に居るんだよ、限界まで我慢して、突然壊れる人」

僕:「…そうですか」

マ:「君は長い治療が必要だ、投薬とカウンセリングが」


もう乾いた笑いしかでない

そして頭に疑問が有った、嫁さんは知っていたんじゃないかと。

出会った時、同居してた時、結婚した時。

常に共に過ごした彼女は、何か感じていたんじゃないかと。


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これが嘘なら僕も嬉しいんですけどね…

あまりにも現実離れしてるな っていつも思います。

普通起きないし、理論的に無理があるんじゃって。

医者じゃないから、幾らネットと文献から調べても正しい事がどれかは分からない。


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