第10話:ドイツの隔離病棟から出た僕は新しいルームメイトと出会う

凡そ2週間僕は隔離病棟に居た。

落ち着いてきたのか、多少の会話や、笑う事が出来る様になった。

それでもゲームばかりしていて、部屋に籠るのは変わらなかったが。


この日は、マーク先生と何度目かの面談だ。

マークはコーヒー片手にカジュアルに話しかけた

マ:「調子はどうだい?」

僕:「普通ですよ、多分」

マ:「自殺願望は?」

僕:「今は無いかな、でも死にたいとは思ってますよ」

マ:「何故?」

僕:「死がゴール」

マ:「そうか…」

僕:「この考えは変わらないと思います、死ねば終わる訳ですし」

マ:「自殺しない理由は?」

僕:「死にたいが死ぬ理由がない」

マ:「哲学者か?」

僕:「めんどくさい男なだけですよ」

マ:「それだけジョークが言えるなら君はオープンステーションへ異動だ」

僕:「?」

マ:「オープンステーション、メンタルケアをする為の病棟だよ」

  「週1でカウンセラーと話をしたり、プログラムに参加して治療するんだ」

僕:「そうなんですね?僕はここの環境が好きですが」

マ:「ダメだよ、ここに居ても治らない。だからオープンステーションで治療を」

  「それに、ここは危険人物を置く場所だ」

  「君みたいな人はここに居たらダメなんだよ」

僕:「分かりました、では移動しましょう」

僕はマイクと握手し、別れの挨拶をし、荷物をまとめに病室へ戻った。

特に物はないので、ぱぱっとカバンに詰め込み終わった。


時間が来ると、看護師のマイクが来た。

「これからオープンステーションへ移送するよ」

マイクと共に3階へ異動した。

そこは別世界だった。

隔離病棟は本当に無機質で殺伐としていた

しかしオープンステーションはゆとりある雰囲気だった。

アートが置かれたり、ポスター、色んな人がホールで会話していた。

若い女の子、おじさん、多種多様だった。

マイクは僕をオープンステーションのナースステーションへ連れ出した。

カルテや投薬記録のファイルをオープンステーションの看護師へ渡した。

マイクは最後にこう言った

「君は今まで会った患者の中でクールな奴だ、皮肉家だが、優しさを持っている」

「鬱病に負けずに戦ってくれ、体には気を付けるんだぞ」

的な事を言っていた、正直嬉しかった。

褒められた気がしたし、頑張ろうと思った。


マイクはそのまま隔離病棟へ戻った様だ。

僕はここでのルール等の説明を受けた。

隔離病棟と違った事は、外に出れる事、プログラムは必ず参加

この2点くらいだ。

外出する時はナースへ報告

8時までに病院へ戻る事

プログラムに参加できない時はナースへ報告

基本週末は家へ戻る事

大体こんな感じだった。

細かい部分は違うが、大体同じだ。


その後僕の寝る病室へ異動した。

今回は3人部屋だ。

部屋には2人の男が居た。

ルームメイトはマイキーとピーターだ。

僕は彼らに自己紹介をし、彼らと会話をした。

マイキーは父親から受けた過度の軍人教育のトラウマ治療の為入院している。

ピーターはアルコール中毒の治療だ。


マイキーはスポーティーなショートヘアと中肉中背だ。

彼は、不思議な男だった。

オーストリア人で日本のアニメ好きで日本好きだ。

食〇のソーマは良いぞ!!とか

モン〇ンは最高なゲームだ!

おすすめのアニメを教えてくれ! 

とか凄く聞いてきた、熱量が凄い…圧倒された。

取り合えず、アニメは…

落第〇士の英雄譚やかぐ〇様は…ryとかその辺は面白かったよ。

と答えておいた。

彼はメモしてガッツポーズを取りながらググっていた。

彼は数分後、良いね!!これ!! と言ってアニメを見ている。

マイキーは凄く…明るいんだな、と感じた。


ピーターは…ちょっと歳を取ったチャラ男がしっくりくる表現だ。

以前はブラジルでドイツ語を教えていて、

妻とは浮気が原因で離婚していて、子供が一人いるらしい。

ここの生活は暇だ、イイ女が居たら紹介してくれと言ってた。

この男…軽い男だなと感じた。

悪い人では無いんだろう。よく笑い、ルックスの手入れは怠っていない。

だが…言っている事は大体、女の話だった。

第一、僕に女の紹介は無理だろ…察してくれ。

ともかく、飢えている。そんな男だった。


自己紹介と分析を終えて、僕はカウンセラーに呼ばれた。

今まで体験した事のない、カウンセラー。

僕は何をしたら良いのか分からない世界だった。


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取り合えず移送されて落ち着いた所までです。

隔離病棟から出られたのは実はラッキーだったりします。

本来、鬱病の薬の効果が出るのには数週間かかるのですが、

根の性格が静かだったので、それを加味して移動させたそうです。


実はこの時既に2,3人自己紹介されたのですが、

書いてると文字数が多くなるので時が来たらその時に書きます。


中の人の話ですが、かぐ〇様は…ry

で好きなキャラは石上くんです。あいつは良い奴だ。

根暗だけどブレーキ壊れるとガシガシ言えるのは最高に面白いですね。


歳をとったチャラ男さんの話ですが、

彼は僕の嫁さんに手を出そうとして、

嫁さんは彼のメンタルフルボッコにした模様。

よくやった!!と僕は親指を立てました。

人の恋路を邪魔する奴はぁ馬に蹴られて地獄に落ちろ!

って言う名言有りますよね、ガンダ〇からですが。

何時か書いてみたいと思います。


次は、ドイツ人カウンセラーと会うです

カウンセラーの話の後は、プログラムの話や患者との話とかかなと


それではご機嫌様です。

良い一日を


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