第7話:ドイツで自殺しようとすると隔離病棟へ強制入院

僕が入った病院は、その地域で唯一ある、心療系の大きな病院。

その病院は、鬱病、アルコール中毒、薬物等のメンタル関連の専門だった。

この日僕は自殺願望のある患者として強制入院となった。


僕が通されたのは、隔離病棟。

この病棟に入っている人間は、外に出してはならない人で、

主に薬物中毒者とアルコール中毒者がメインとなっている。

不思議な事に、若い人は居ない、40代から70代位の人ばかりだった。

これには理由があるらしく、聞いてみると、本来僕が入るべき病棟では無かった様だ。鬱病専用の隔離病棟が有るのだが、満員だったため、仕方なく、そこになった。


入口は一か所で、ガラス製のドアだが、カードキーが無いと開けられないタイプだ。

インターホンが有るので、呼び出しをし、中からいかつい看護師が出てきた。

僕と嫁さんは挨拶をし、ここに入院する事になったと看護師へ伝えた。

彼の名はマイク。ボーズヘッドで、身長は170㎝位で眼鏡をかけていて、腕から入れ墨入っている、音楽をずーっとやっていたそうだ。

彼は英語が話せる看護師らしく、僕の担当となった。

軽い挨拶をし、彼はこの病棟の説明をしてくれた。


部屋は大きく分けて7種類だ。

1つは多目的室、ここではテレビが見れる

2つはナースステーション

3つは食堂

4つは患者の病室

5つは喫煙室

6つはセラピー室

7つはドクタールーム

食事は朝の8時、昼の12時、夜は17時

就寝は22時

基本的には危険物となり得る物は没収、外出禁止、暴れたり、危害を加えたら、部屋に監禁、それでも酷い場合は、警察官と一緒に拘束具。

明確だなと思った。そういう目には遭いたくないのは誰しも思う事だと思う。


この病棟は普通なんだと思っていたが

異質な事に、ここの看護師達はみんな疲れた顔なのだ。

みんな辛そうというのが印象的だった。

それもそのはず、僕は彼らが何故こんなにも疲れた顔なのかを知る事になる。


到着して、僕は病室へ連れていかれた。

マイクはまず病院内での契約書、荷物の預かり許可書等のサインを求めた。

職業病なのか、契約内容を嫁さんに訳してもらったが、

特に問題は無いのでサインした。

その後、僕は身体検査を受けた、身長、体重、脈、血液。確か4種類だった。

急だが、僕は血が嫌いだ。

見るのが嫌なんだ、この時は人差し指に針を刺し、流れた血を紙に採取し、

血糖値等を見ていた。

特に問題が無いので、そのままカルテに書き、僕は一旦荷物を鍵付きのロッカーへ入れた。


病室はシンプルだ。

ベッド、移動式のロッカーと鍵付きのロッカーの3つだ。

大きな窓とドアが有るが、基本的にロックされていて、窓から脱出は不可能になっている。

病室は2人一部屋となっている。

僕のルームメイトは幸いアルコール中毒者で、人が良さそうなお兄さんだった。

優しいというのが正しいかもしれない。

彼とは1日だけ一緒の部屋だったが、後日会う事になる。


病室である程度の整理が済んだ時、

マイクからドクターが話があるそうだから来てくれと呼び出しを受けた

彼に連れられ僕はドクタールームへ入った。

彼の見た目は、まんまマーク・グリーンだった、アメリカのドラマのキャラクターそっくりで驚いた。

彼をこれからマークと呼ぶ(名前を忘れた…)

マークは椅子に座っていて、自己紹介をした。

彼はここの医者でメンタル関連をメインとした医者だそうだ。

不思議な事に握手を求められた。

本来、医者は病院では握手なんてしない、理由は菌だ。

医者の手は基本的に綺麗でなければならない、また不特定多数の人と接触する為

常に警戒する必要があるからだ。

にもかかわらず、彼は握手を求めた。

不思議だな、と僕は思ってしまった。


マークはパソコンに向かいながら、こういった

「君の過去に起きた出来事と今の症状を話してほしい」

僕は正直困った。

何処から話すべきか。


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ドイツの隔離病棟は案外普通なのかもしれません。

僕自身、隔離病棟が初めてだったので、比較はできませんが、

それでも良い所ではありません。

(鬱病が酷かった時は隔離病棟は最高でしたが…)


僕が入った病棟は、実はアルコール中毒と薬物中毒者用で、

何故、老人が居たのかと言うと、彼らはアルツハイマーや心身になんらかの異常をきたした人達だった様です。

そういう人たちを入れる場所が無いのが実情だった為、一緒にしたと。

勿論、老人で中毒者の方は居ましたが、レアケースでした。

その病棟には凡そ20人近く居たと思います。


僕に文才がもう少しあれば、色々と書けるのですが、すみません。

今の僕にはこれが限界です。

ちょっと長くなるので、一旦区切ります。


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