第2章
幕間
本書を刊行するにあたり留意したのは、これがあくまで一般論に終始し、既存の価値に従属するようなものであってはならないということである。
我々は敗戦によって突然に平和を享受し、同時に余りにも多くの変革を強いられた。大戦、つまりダウンフォール以後の我々にとって、その受容こそ日常であり、それを見つめることは義務ですらあった。確かにその視座は自らの経験という下地によって高められ、そこから得られた生の教義というべきものは、時に戦慄するほどまでに示唆に富んでいた。しかし他方では、それを理由として逆説的に言論の画一化が招かれたことも、また数多くの人々の指摘するところである。
あれから60年を迎え、その遺産もようやく全て清算された今、私たちはやっとそれを冷静に見られるようになったのではないか。本書の根底にはこの思いがある。
"After the Downfall"
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