7.新春初くじパイの小さな幸い
「いただきます!」
黄金色の焼き目がなんとも縁起の良いパイを切り分け、家族全員でほおばる。
正月の朝は「初くじパイ」を一斉に食べることが数年前から流行っている。所謂「運試し」のようなものだ。
魔法石を当てた人には、小さな幸いが訪れる。皆それを期待してパイにかじりつくのだ。
「あ」
フォークを入れたパイの断面から、キラリと光るものが見える。
アタリだった。魔法石を洗い、手のひらで包む。
手の中で発光した後、そわそわする気持ちを抑えて、ゆっくりと手のひらを開く。
「……今日は朝から喉が痛かったからかな」
手のひらに乗っていたのは、レモン味ののど飴。
小さな幸いの意味とは。複雑な気持ちのまま、のど飴を口にした。
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2017-01-01
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