世界の半分をドラゴンと

ぷよ夫

第0話 序章

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 敵の正体はいまだよくわかっていない。しかし、どうすれば撃退できるかは分かっている。

 海の敵は、眠っていた旧い兵器で一気にカタをつけられる手はずになっていた。

 そして、眼下の平原では、隊列を組んだ味方と、隊列すら組まない敵の群れが向かい合っている。

 少年がこの様子を空から見下ろせているのは、偶然から赤銅色の相棒と仲良くなったからだった。

 ほんの偶然だった。

 それから、彼の爺さんの時代には夢物語だった、とんでもない旅を経て、ここを飛んでいる。

「調子はどうだい?」

 ぱたぱた、ぱた。

 呼ばれた相棒は、ヒト一人と装備一式くらい軽いものだ、と返事をしたようだ。

 何十騎も、一人乗りや二人乗り隊列を組み、進んでいく。

 アンゼは、その中でも割と大きな方だ。

 だが、先頭を並んで飛ぶ青と赤の二頭と比べたら、別の生物みたいに小さい。

 その二頭は、頭の上に其々の相方を乗せたまま大きな口を開けると、咆哮とともに凄まじいエネルギーを放出した。

 稲妻と炎の形をとって。

 

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