検察審査会2

1回目の議決の後、下野はまた呼び出された。

「お前、検察審査会議で何を言った」

支部長が怒りに震えながら聞く。

「事実を述べたまでです。」

下野は言った。


後日、下野は支部長室にいた。少年Aを起訴する決裁を貰いにきたのだ。

「こんな決裁認める訳ないだろう」

支部長は承認の判を押さなかった。


翌日、新聞には『元大臣の息子の処分 支部長が関与か』という記事が載った。

事態を重く見たA地方検察庁は加藤支部長を異動させる人事を発表した。


B支部の廊下で下野は加藤支部長に問われた。

「これがお前の正義か」

下野は答えた。

「はい」と。


世論も後押しし、検察審査会の再審査でも起訴相当とされ少年Aは強制起訴された。






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