強制起訴

@GONKEISUKE

不起訴処分

「あなたを不起訴処分にします」

A地方検察庁B支部の検察官下野一光は目の前に座る窃盗の容疑で送致された少年Aに処分を言い渡した。

少年Aは表情を一つも変えなかった。

「支部長がお呼びです」

担当事務官の田中直樹が言った。

「例の件ですか」

田中が続ける。

「恐らく」

下野は答えた。

「支部長、よろしいでしょうか」

ドアをノックする。

「どうぞ」

加藤支部長のぶっきらぼうな声がする。

下野が支部長室に入るとすぐに

「これでいいんだ」

加藤支部長が言う。

「わかってます」

下野は答えた。





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る