体力の底
11月11日、水曜日。晴れ。いい天気。
追い込まれてきた。
酸化マグネシウム服用時に大量の水を摂取することで、母の便秘癖が治った。だがその代償は想像よりも大きく、介護者の気力と時間を根こそぎ奪い取るのだった。
要するに今度はハード系でないうんこが2時間に一度くらい出るようになっちゃったんですよね〜。朝晩問わず〜。
細かい描写は避けるが、ハード系は初心者向けである。そうでないものは中級者以上向けだろう。
そういう技術は磨いてこなかったので、スキル的には初心者も初心者、ズブのド素人といってもいい。やらねばならないのでやっているのだ。よって、大量のトイレットペーパーやおしりふきを駆使することになる。時間がひたすらかかりしんどいことに、あ、これはダメだ。
よし! 話題変更!
時間がとられて仕方がない。だいたい2時間に一度のお掃除なので、もろもろ含めて30分はかかる。それでも調理やら掃除(うんこではない方)をしなければ。仕事の下準備もしておきたいところだ。
これだけ慌ただしいのに、兄が銀だらの切り身を買って夕方に帰ってきた。煮付けを作れということだ。
それはやりますよ、賞味期限が今日までのお値打ち品だから。けど更にひき肉1キロ買ってくるとは思わなかったのよ。
「安かったから」
そりゃそうだ、今日までのものだから30%引きにもなりますわ。
「火を通せばまだもつ」
そこまでの調理という段階を考えないのか。玉ねぎとピーマンをみじん切りにし、ひき肉とこねあわせてオーブン焼き。
……といった感じで徐々に低空飛行になりつつある毎日。皆様におかれましてはいかがおすごしでしょうか。カネ払うから他に目をやるゆとりをくれ。けど配食弁当はどうも。なんというかどうも。
只今実感しているのが「余裕をなくすともれなく脳みそのシワも減る」ということである。言葉が出てこないのだ。
「」を会話以外でなるべく使わないようにしているが、それは「『難しい』漢字は極力使わない」「主語から始めるならそれなりの工夫を」に並ぶ「『我が』ルール」の筆頭に掲げたものであり、「」がなくても「(可読性の高い)『もの』を書いて〈おこう〉」という意識の発露に他ならない。「常に」母のベッドを意識しながらの「状態」に加え(予定)「していたよりも」調理の品数が「増える」と「だいたい」こんな感じの思考「になる」。読みづらく伝えづらく書きづらい。かなりウギャーかつオギャーでありデロデロデロデロでもある。
体力が低下している。ゲームでいえばステータス画面の数値が赤くなっている状態。取り急ぎ背中のストレッチでもしよう。そして昼寝をしよう。そんな時間があるのかどうか。
アップルウォッチ様が振動なさった。画面を見る。そこには
がんばってください
と表示されていた。詳細は確認しないが、おそらく最近の運動量の低下をなじっているのだろう。現状を鑑み応援してくれているのではないと思う。そっと外して充電台に戻した。
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