薬仕分け事業(一緒じゃダメなんですか)

母が退院し、薬の量がバカ増えた。本当にバカっ増えした。


ざっと上げると朝前のが1、朝・昼前のものが3、朝・昼後のものが4種類で個数バラバラ、朝・夜前のものが6、就寝前のものが1、毎食後のものが2となる。ついでにいうと退院後5日は4錠でそれ以降は2錠とテクニカルな分け方をするものまである。

一包化(朝はこの袋、昼はこの袋と袋で分けるやり方)をして貰えば良かったのだが、実は別の病院から出ているものもあるので無理という現実にぶち当たった。


大変に面倒な上に、間違えてはならない。なので、まずは服用するタイミングごとに袋を分けた。こんな時こそジップロック。小分けできるだけでなく注意書きを記しておくこともできるのでヤバい。100円で10枚入っているというのもヤバい。


で、食事の前か後に薬を左手に手渡す。右半身に麻痺が残っているので、薬の梱包を破くことができない為だ。ここで落とされるとまたヤバいことになる。


言いたくないが、面倒くさい。せめて薬をご飯のおかず代わりにすれば前後関係などなくなるのではないかとヤバい考えに至り、襟を立てて絶叫してみたくなった。


「(食前食後)一緒じゃダメなんですか」


ダメに決まってるから分けられているのだが、あの人もおれもまあまあはた迷惑な感じのバカなので、とりあえず言うだけは言ってみたいのだ。違いは収入と国せ、いやなんでもない。言うだけならばタダだし。


これだけの数の「脳の腫れを抑える薬」が出ているなら、しばらくは安心してもいいのかなと思うが、多分そうは問屋が卸さないだろう。


食事の流れがハードすぎて笑えることになってきた。母の食前薬を用意し父の血糖値を計測、返す刀で母の指からも血を採る。翻って父の腹にインスリンを打ち食事を提供、その流れのまま母の腹にも注射を打ち、温め直した食事を出す。そしてその最中に食後薬の準備である。日によって個数が多いものがあるのでミッションの難易度が跳ね上がった。まあ、どうにかなるだろ!

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