作業場の移動
どうしても両親から目が離せないので、一階に作業場を移すことにした。だがいつ気絶するかわからない母といつハサミで背中を掻いたりしだす父を相手にするには、現状装備が心許ない。
その為iPad Proに装着するキーボードを購入。アホみたいに高い方ではなく、安い方のアップル純正。今それで打っているが、なかなかやりづらい。こうなってくるとノートパソコンを買えば良かったという考えも脳裏をよぎるが、それは給付金が支給されたら考えよう。
一階で空いている場所は仏壇しかないので、仏壇にiPadを備え……供え……備え、手を合わせてから向き合う。今後できることはここで進めていこう。暗い時はろうそくを灯せば良いのである。
このiPad装備でイラストレーターとフォトショップ、アフターエフェクトとプレミアが使えれば全部の仕事が仏壇でできるんだけど、そうなるとフォントの問題もあるな。無理だろうな。
早速母がお茶をこぼした。ボールペンや箸、コップといったものを落とす回数が日に日に増えている。やっぱり脳腫瘍が進行しているのだろうと思う。医者でないから正しいかどうかはわからないけれど、ものを落とす回数で判断する限り、そうなる。
幸い目の届く範囲にいるから、すぐに対応できた。距離が近いから精神的な余裕もある。あとはいつでも救急車に乗れるよう、外出できる格好をしていればいいのだ。
しんどい。正直かなりしんどい。できるならば逃げ出したいレベルであるが、なんとか踏ん張る。今はそれしかできないから。
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