きったねえ滝のプラスイオンでリフレッシュ

今回はとびきりびろうな話で恐縮です。恐縮でございます。

前置きはしました。前置きはしましたよ!


母を病院で診察してもらっているため大変バタバタしており、もうひとりの世話にまで手が届かない。つまり父親の様子がおかしいことに気づかなかったのは致し方がないことと言える。というか言いたい。


本日土曜日、兄は母を連れて病院へ。自分は父をデイサービスに預け、家の掃除をしていた。

デイサービスから電話あり。


「昼食後、食事を戻したから早退させる」


とのこと。なんでも本人、朝から体調が悪かったと言っているらしい。


「いや、血糖値も血圧も体温も普通だったし、食事も全部食べていました。いたって普通でした」


これ、私の主張。体調悪い人間をデイサービスに預けるようなことはしない、という偽善に満ち満ちた意思表示である。しかし本人が言っている以上、認めざるを得ない。スタッフの人にごめんなさいと伝え、早退を受け入れた。

戻ってきた父を見ると、確かに顔色が良くない。

この時、来たるべき修羅場を想像して逃げ出したくなったのはここだけの話しだ。


やがて母が、兄に連れられ戻ってきた。こちらは父親など比にならぬほど具合が悪い。進行性の病気のため、格が違うとも言っていい。

今日はどんな治療を受けたのか聞いていたら、視界の片隅で父がいきなり戻し出した。


我ながら慣れたものだと思うが、実は顔色を見てすでに洗面器を用意していました。また、ベッドに横になりたいという希望を却下していました。

完璧な対応だと思っていたが、洗面器の目測を誤り、おれの手は吐瀉物まるかぶり。しかし慌てない。介護ものはこんなことでは慌てない。


父の足元の床が汚れている。見ればもう落ち着いているようだ。念の為、声をかけた。


「床、拭いていいですか。もう吐きませんか」


「吐かない」というので床を拭き出したら、直後に目の前にきったねえ滝が。もしかしたら「儚い」と言ったのだろうかとかどうでもいいことを考えていたら、おれの手に再びきったねえ滝とプラスイオンが当たった。


ここに至って介護者の何かが決壊。二次災害というかもらい事故というか、自然につるりと出ましたね、ええ。我が家はゲロでコミュニケーションとってんじゃねえかと思うほど自然に出ました。


このようないくさがリビングで繰り広げられました。

私の自室は2階にあり、当然パソコンもそこにあります。普段は30分に一度、階下に降りて何もないか目を光らせています・

しかしながら、以上のような状況を鑑み、今日はプラスイオン発生機と化した父を眼下に収めておかねば落ち着きません。リビングで二人を見張りながら、アイフォーンでポチポチとこの文章を打ってます。


はたから見るとスマホ中毒の無職が、親のスネかじって食あたりを起こしているようにしか見えないかもしれんのうゲシシ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る