介護者ラストスタンド
桑原賢五郎丸
激動2020の始まり
はじめに
最初に一つだけ言っておくと、このエッセイ「ダブル
お目通しくださった方のご両親や親族が要介護状態になったとしても、決して参考になさらないでいただきたい。
「ならなぜそんな駄文書きやがった、この腐れ蛆虫めそこに直れ。要介護の親にそんな暴言吐くとは、おれ(私)の正義が許さない」
とお怒りの方もいらっしゃるかもしれない。
そのような感情が芽生えた方は、どうか速やかにパソコンの画面左上、矢印が左側に向いているボタンを押してもらえたら、お互いにとってグッドである。
ただ、「ならなぜそんな駄文書きやがった」の部分に関してはお答えしておく。
ちょっとげんかいなのれすわハハハ。
「介護疲れ」というえげつなく救いようがない悲壮感モリッモリの言葉があるが、おれ、いまそれ。
2020年の2月頭の日曜日の夜、急激に体調が悪化した母のつきそいで救急車に乗った。
血圧を測ったり問診したりしている母を見ながら想像していたのは、とあるゲームの画面。これぞ現実逃避。
ぷにょぷにょと言ったか、あの落ちてくるブロックを同じ色で揃えると消えるやつ。
脳裏に浮かんだぷにょぷにょは、一つとして同じ色が無いのでブロックが消えない。
サイレンを鳴らしながら県道61号線を突っ走る救急車の中でおれは脳内のブロックを消そうと躍起になり、少しだけ口角が上がった。と同時に気が触れかけていることを自認した。危ない。
吐き出す場所が必要だ。苛立ちと怒り、悲しみや同情、無常観と無能感をさらけ出す場所が。
クソを出さないと便秘になる。
ツイッター?
脊髄反射した正義の人が噛み付いてきそう。
フェイスブック?
別に知られたいことでもないし。
インスタ?
なにそれ。
漏れそうなのに便所の良し悪しにこだわる愚か者の脳裏に、かつていい感じだった便座が思い浮かんだ。
そうだ、カクヨムがあったじゃないか。
たまにトップ画面を眺めると異世界だチートだ奴隷だ最強だクラスで一番の美女がおれのことを好きみたいですよ?といった意味不明の文字がいっぱい出てくるようになってしまったカクヨムが。
よし、ここで漏らそう。不定期に。
とりあえず登場人物を紹介する。
「おれ」
桑田賢三。
次男。
父の脳梗塞に伴い会社を辞め、実家ぐらしに。
桑田製作所という制作会社を登記せず、というかする必要がなく、なんとか確定申告しないでいいくらいの稼ぎしか産まない、社会にとって不必要な人物。
基本外出できないので、周囲から引きこもりとして見られていることは想像にかたくない。
「
家系上、父に当たる人物。
30代からの糖尿病に加え、2018年の7月に脳梗塞を発症し左半身不随に陥り、一級障害者というジョーカーを手にする。
腎臓もよろしくなく、毎食の献立はこいつの体に合わせておれが作っている。
おれが小説を書けなくなった原因と理由であり、ストレスの8割がこれのせいである。
月に一度、ショートステイというプリズンへおつとめに行く。
「
母。
2001年に蜘蛛膜下出血で生死の境を彷徨い生還。その後背骨の圧迫骨折だ糖尿病だ白内障だをマシンガンのように発症し、本人は拒否するだけで立派な要介護者。
つい先日、大腸の炎症で緊急入院。この母との歩みがこの日記の主題になってしまうとは夢にも思わなかった。
「
兄。
社会人。両親の糖尿病に怯え、1年で体重を40キロ近く落とした。
毎日の買い物でストレスを発散する悪い癖がある。
言うまでもなく、全部仮名である。という設定である。途中からこれが崩れ、あわや本名で進めてしまうところだった。
今後デイサービスなどの合間などにすきを見て更新できたらいいなと思っています。よろしくおねがいします。
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