第十五話 木こりの少女

――煉獄の島 ノーラグベル・フォルエン南の森


◇カイ

はぁっはぁっはぁっ……

なんとか逃げ切ったな……


◇クロナ

アリア、大丈夫?


◇アリア

はい、なんとか……


◇ノア

……噴火の影響とはいえ

遺跡を守っているはずの

マキナドールが現れるとは──


やはり、遺跡になにか

異変が起きているのか……


◇カイ

急ごう

ウィルゲン大佐をひとりで

遺跡に行かせちゃいけない!


◇ノア

ああ


◇クロナ

っ!?

みんな、避けて!!


◇カイ

!?


◇ノア

なんだ

木が急に倒れてきた!?


◇????

キミたち、大丈夫!?


◇カイ

な、なんだ……?


◇少女

ごめんごめん!

まさか人がいるなんて

思わなくてさ!


◇クロナ

え、えっと……

あんたは──


◇マロン

ボクはマロン

この森に住んでる木こりだよ


◇カイ

木こり……?


◇アリア

おじいさんだって

聞いてましたけど

女の子……ですよね?


◇マロン

ああ、

それなら

ボクのおじいちゃんのことだね


キミたち、

おじいちゃんに用があったの?


でも、おじいちゃんなら

帝国の偉い人に呼ばれて

フォルエンの街に行っちゃったよ


◇カイ

ええっ!?


◇クロナ

どうする?

このまま

フォルエンの街まで行く?


◇カイ

そうだな!

大佐にも会わなくちゃいけないし

すぐに出発しよう──


◇マロン

ちょっと待って!

もうすぐ日が暮れる

今夜はボクの家においでよ


噴火の影響かわからないけど

最近、この森のマナの均衡が

崩れてるみたいなんだ


夜は特にワーグが凶暴化する……

今日は森の中を移動するのは

やめたほうがいいよ


◇カイ

だけど、俺たち急ぐんだ!


◇マロン

急いでるならなおさらだよ


この森は、日の出ているうちは

緑豊かなきれいな森だ

でも、日が暮れると──


決して出られない

迷路のようになる


ここに住んでるボクだって、

夜になったら

森の中を出歩いたりしない


◇ノア

『迷いの森』というヤツか……


兄さん、

ここはマロンの

言うとおりにしたほうがいい


◇カイ

ダメだ!

今こうしている間にも

大佐が──


あ……


◇マロン

あははっ!


キミ、お腹すいてるの?

じゃあやっぱり

ボクの家においでよ!


ご飯作ってあげる!


◇カイ

ホントか!?

みんな、

今日はマロンにご厄介になろう


◇ノア

兄さん……


◇クロナ

ホント、

カイのそういうところ

おじさんそっくり……


◇アリア

あはは……


◇マロン

あ、そう言えば

キミたちの名前、

まだ聞いてなかったね


◇カイ

俺はカイ!

マキナハンターだ



To Be Continued……

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