第2話棚からぼた餅家族
私、病気持ってます。
お喋り好きなんで、知っている人もいるかもしれませんが、発達障害と統合失調症と、聞いているので、皆にもそう言っています。
で、結婚は難しいかなと思っていたんですが、何回も思ったんですが、彗星のごとく授かりまして。
やったー、めでたしめでたし……。
うぎゃあああああああ!
そう、そうですよね、あなたの話は始まったばかりなんですから。
こな桜がお腹にいるとわかった時、私はいくつかの薬を飲んでいました。
女医さんに、この薬はまずいんじゃない、精神科の先生に聞いてみてね、ということをそれとなく言われ、いつもの病院へ行きました。
インターネットで調べると、この薬は子どもに影響を与える可能性の高い、まずい薬だということ、そして妊娠初期は体を形成する大変重要な時期だと知ることができました。
先生が暗い顔で、問いかけました。
「どうしますか、薬」
「やめます」
「なぜそう思ったのですか」
「妊娠初期は赤ちゃんの体を形成する時期だと調べました。今は薬を飲まない方が良いと思いました」
先生は一つ確かに頷いて、では、やめましょうと言いました。
なんだか重要なテストに合格したような気持ちでした。
それで、やめてはいけない薬を、やめることに決まりました。
で、相方に報告。
二人で、手巻き寿司をしました。勿論、生の食べ物はなしで。
内心どきどき、運命がどう転ぶか気になって、少し気持ち悪くもあって。
「今更ですが、結婚してください」
「うん」
二人で手巻き寿司を前に記念撮影をしました。これで、何もかも良くなる、そう根拠のない自信はあったのです。
なんにせよ、家族になることが決まりました。
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