練習
魔法競技会が始まるのは一週間後。
代表選手も決まり、学園の中は魔法競技会一色に染まっていた。
どこもかしこも作戦会議や練習に忙しそうにしている。
学園の威信と誇りをかけた戦いだから仕方ないか。
ウチのクラスからもオリビアとクシェル、デュランが出場することになっている。
デュランはパワー・ブレイク、クシェルはシュート・ブレイク、オリビアは模擬戦形式で戦うバトル・ロワイヤルにそれぞれ出場する。
A組からはこの3人が出場し、他のクラスからも優秀な人間が選ばれている。
オレは席で1人くつろいでいた。
「ガゼル、暇だったらアタシの練習相手になりなさいよ」
不意にオリビアに声をかけられる。
まぁ、暇だったし少しぐらい付き合ってやってもいいか。
「別にいいけど、何をすればいいんだ?」
「アタシと戦うのよ。この前模擬戦した時は負けたけど、今度こそアンタに勝ってやるわ!」
オレと戦いたいって本音がダダ漏れだぞ・・・
アドバイスするぐらいしてやってもいいか。
「分かったよ、するよ練習相手」
オレは観念して、練習相手をしてやることにした。
「っ!!何で勝てないのよ、もうっ!!」
練習し終わるとオリビアは悔しそうに吐き捨てる。
「それで、なにかコツみたいなものは掴めたか?」
「そんなのどうだっていいのよ!!アタシが勝てなきゃ意味無いのよ!!」
どうでもいいとは言い切ったな。
やっぱりオレと戦いたかっただけかよ・・・
「一つアドバイスしてやるとだなーーー」
「なにっ、アタシになにが足りないのっ?」
余程悔しかったのだろう、すぐに食いついてきた。
「お前は勘違いしている。魔法戦ってのはいかにして相手の虚を突くか、裏をかくかだ。魔法を使いながらただ突っ込んでくるだけじゃあしらわれて負けるだけだ。頭を使え。それに
オレは思ったことを包み隠さず言った。
オリビアは最初は悔しそうだったが、今は落ち着きを取り戻し、冷静にオレの話を聞いていた。
「なるほど、もっと攻撃のバリエーションを増やせばいいわけね」
一応要点は伝わったようだ。
納得してくれたようで、その表情にはなにか掴んだような顔をしている。
「じゃあ、オレはそろそろ帰るから。練習頑張れよ」
そう言うと、オレは家に帰り始めた。
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