第10話 姫さまとライバル登場2
ソワソワ。
モジモジ。
パリエが姫さまに変装して客間に向かってからしばらくしないうちに、深紅の髪飾りをいじったり、爪の手入れをしたりとどうも落ち着かないご様子。
「なあセバスチャン」
「なんでございましょう?」
「大丈夫かな」
「と、言いますと」
「パリエは、しっかりわらわのふりを出来ておるだろうか」
「先ほど、ご一緒に念入りに変装を作り込んだではありませんか。良く似ておりましたぞ」
姫さまは格好だけでなく、仕草に至るまで熱血指導を行い、私から見ても違いが分からないほどの変装の出来でありました。
ある一か所を除いて。
「じゃが…」
「そんなに心配でしたら、見に行かれてはいかがです? ちょうど気付かれずに客間が一望できる場所にご案内しますので」
「まことか! でかした!」
(まあ、普段私がこっそり姫さまを観察するために使っているのですがね)
「早よう! 早よう行くぞ! セバスチャン!」
ああ、足踏みする姫さまもかわいいなあ。
そんなに心配なら初めからパリエに行かせなければよかったものを。
はてさて、偽姫さまはどのように振舞っておられるのでしょうか。
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