第17話 ※
本作品は一部性的描写が含まれている可能性がございます。
すみません。
今回は少し背後を気にしつつ閲覧していただきますようお願いします。
バスとか電車とか家族の前とかはやめてくださいまし。
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スイーツを持ってきた日から
中島は放課後のクラブ活動以外の昼休みにも、たびたび俺の所に来るようになった。
美術以外の雑談もする様になり
昨日のTVは面白かったとか
新しい限定のお菓子が出たとか色々持ってくる。
時計を見ると昼休みが残り20分になった。
そろそろ中島の来る時間だ。
「あ、この辺、散らかっているな。片付けておかなきゃ汚いって言われちゃうかな……♪~ …………はっ! 」
浮かれている自分に気が付いた。
……まるで中島に自分を少しでも良く見せようとしているみたいじゃないか。
まさか…俺…。
軽いノックの後、ドアが開く音と同時に振り向いた。
「中じま……………石崎?」
なぜか戸口には不機嫌そうな顔をした石崎悠太が立っている。
「……へぇ、やっぱりアイツ昼休みにも来てるんだ。」
「どうした 石崎、珍しいな。」
石崎はとってつけたように笑うと急に抱きついてきた。
「せんせー、俺、もうだめぇー、耐えられな~い。」
「なっ、なんだよ。急に。」
「お願~い。俺、先生に言いたいことがあるんですぅー。」
いつもの石崎にもどっているが、なんで必要以上にじゃれてくるんだ?
こんな石崎は初めてだ。
「わかった。わかった。話を聞いてやるから抱きつくのやめろ。」
「いやですよー。だって大きな声で言えないことだも~ん。」
にしてもこの体勢はまずいだろ。人に見られでもしたら
「わかった。もー、いいから早く言って離れろよ。」
「俺、先生の事好き~。」
「そうかそうか。お前、これ罰ゲームなんだろ……っ???」
石崎は俺の頭を両手でしっかりと掴むとおずおずと唇を重ねてきた。
「んんっ」
ドンッ!!!!
石崎の肩を思いっきり押し返して体を引きはがし濡れた唇を手の甲で拭う。
「い、いたずらが悪質すぎるぞ!」
「いたずら…?…いたずらじゃなければしていいんだ?」
「石崎っっ」
「俺、本気。」
「石崎やめ……んんーーーーーーーーっっっ!!!」
今度はためうこともなく唇を奪うと、逃げられないように机の上に押し倒された。
体重をかけて抑え込まれているから、どんなに押しても石崎の体はびくともしない。
「んっ、んんんぅっ」
ドアがノックされた。
中島が来たんだ!
「んんっ!」
すぐにドアを開けて入ってきてしまう!!
「んんんっ!」
こんなところを見られたくない。
「ぅんっ、うぅンっ」
でも石崎は俺の上からどく素振りはなく唇を味わっている。
中島に誤解されたくないっ。
石崎が鍵をかけたのか、ドアがガチャガチャと音を立てている。
「松岡先生、いらしゃいますか?あれ?おかしいわ。」
この声は演劇部の岡田!!!!!
岡田の声に驚いた石崎の力が一瞬緩んだ。
俺は急いで頭を横に振って唇をほどき声を出した。
「んっはぁっ!!!岡田っいるぞっ!」
不意を突かれ驚いている石崎を押しのけてドアに飛びつき開けると厚い本を抱えて立っている岡田がいた。
彼女のおかげで逃げることが出来た。
「はぁ、はぁ、はぁ」
「……失礼します。良かった。静かだったから誰もいないのかと…」
「有難う岡田、待たせて悪かった。」
岡田の頭の上には?がいっぱい浮かんでいる。
ふと岡田の目に石崎が止まる。
俺一人だと思っていた所にもう一人いたんだから気になるはずだ。
「石崎もう教室に帰りなさい。」
「はぁ~い。先生 また今度ね~。」
石崎はすれ違いざま岡田の肩にぶつかった。
「きゃっ」
「…………………」
出ていく石崎を見て岡田は引きつった顔をしている。
「わ、私、秋のコンクールの演目の台本許可を取ってもらいたくて、これだけは大人の先生にやってもらわないと…子供の私じゃ…」
「うん?わかった。やっておくよ。」
半泣きで怯える岡田をなだめて教室に帰した。
それにしても今日の石崎は、どうしたんだ?
チャラいだけで、あんなたちの悪い冗談や、しつこい嫌がらせなんかしたことがなかったのに……。
嫌がらせ…?…嫌がらせなのか?!
あー、なんかだんだん腹が立ってきた。
そもそも、あいつは沢山の女の子達を周りにはべらせて遊びまくっているのに
男の俺の事が好きだとふざけたことを言って
大人をからからかうのもいい加減にしろよ!!
どうせつくなら、もう少し ましな嘘をつけーーっっ!!
うーっ!!イライラするっ!!
「先生?大丈夫ですか?」
一人 怒っていると、いつの間にか中島が来ていた。
「…わ、悪い、ぼーっとしていた。」
「先生見てください。今日は2つ買えました。一緒に食べましょう。」
嬉しそうにコンビニの袋を俺に見せる。
「おー、凄いじゃないか。」
さっきの嫌な気分が吹っ飛ぶ。
昼休みはもう残り少なかったが、冷たいスイーツを二人で食べるには十分な長さだった。
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