狩人の責務

帽子の男

第1話~ようこそ、セルリアンハンターズへ

これはあったかも知れない世界のお話…

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~パークセントラル、ジャパリ空港~

とある一人の男が空港の出口からキャリーケースをコロコロと音を立てながら引きずって出て来た

「ふぅ…やっと到着か…」

その男の名前は胡蝶之夢…まぁ本名では無く、ペンネームだが…

胡蝶はうぅん!と体を伸ばし再び空港の外を歩き出した。

しばらく歩くと街が見えてきた。

「ふぅん…コンビニもあるんだ…」

胡蝶はコンビニに入り、じゃぱりまんを購入した。

そしてまた、しばらく歩くと今度は大きく”の”のロゴの形をしたオブジェの前で止まり、辺りを見渡した。

どうやらここは忠犬ハチ公の様な待ち合わせスポットらしい、かなりの人が集まっていた。

胡蝶はスマートフォンを取り出し時間を確認した。

「まぁ何とか間に合った…」

「待ってましたよ!」

急に背中から声を掛けられ胡蝶は振り返る、

そこにはフレンズが立っていた。

「ずいぶんと久しぶりだね」

「挨拶は良いから取りあえずバスに乗って僕の住処に行く?」

「OK取りあえず、君に着いてくよ…」

~バス乗り場~

丁度昼時だったのかバス乗り場は閑散としていた。

バスに乗ったのも最初は7人ほど居たが、ほとんどが途中で降りてしまった、最終的には胡蝶とナナシと呼ばれたフレンズしか残らなかった。

胡蝶とナナシは雑談をしながらしばらくは進んだが、突如バスが止まる。

「どうしたんだろう?システムエラーかな?」

胡蝶はそう言い運転席のラッキービーストを

見つめるとラッキービーストは通信中だった、そしてその数秒後

「タダ今、コノ先デ倒木ガ発生シマシタ…ルートヲ変更シマス…」

とラッキービーストが言ったのだがバスは一向に動かなかった。

「ちょっと暑いね…」

胡蝶は鞄から水を取り出し、ナナシに差し出した

「ありがとう」

そう言うと共にゴクゴクと水を飲み干すナナシ、すると何かに気付いた。

「カサカサと草をかき分ける音がする…近くに何かいる…!」

次の瞬間、草むらからセルリアンが飛び出してきた!

「!?うぁ!何だ!これ!」

胡蝶は驚きのあまり水を落としてしまった。

「取りあえず僕達が戦わないと!」

ナナシは勇敢に立ち向かうが…全く歯が立たなかった。

「硬い!ああもう!…これは!エンジン音!!」

ナナシは顔が明るくなる

「も、もしかして!誰かが助けに!」

胡蝶も立ち上がりバスの展望窓から辺りを見回す、すると確かに何かが迫ってきていた。

そして数秒後、バスの後ろに急ブレーキで停車した軽装甲車らしき車から人が出て来た、

「LB!バスを完全密封モードに移行!」

ブーニーハットを被った男がそう言いながら腰からナイフを引き抜いた。

「待て!人間一人じゃ!僕も行く!」

ナナシはバスから出ようとしたが窓が開かなかった…

そして次の瞬間、帽子の男はナイフで次々とセルリアンを砕いてゆく。

数分後にはバスの付近にはサンドスターのキューブが転がっているだけだった。

その後帽子の男はバスに近づき開放されたバスの窓から何かを投げ入れた。

「ん?なにこれ?」

胡蝶が拾い上げるとそれはシュー…という音と共に白い煙が出て来て、バスの中に煙を充満させた。

「何だか…だんだん眠く…」

胡蝶はバスの座席に倒れてしまった。

「おい!何をしたんだ!おい!」

ナナシは窓を叩きながら外の帽子の男に叫んだ、しかし、声は届かずナナシは深い眠りについてしまった。

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~ゴコクエリア、誰も訪れないような山奥~

「うぅんここは?」

胡蝶が目を覚ますとそこは少し硬いベッドの上だった、隣には既に起きていたナナシがベットに座っていた

「やっと起きた…割と長めに寝てたんだよ?」

ナナシはそう言うとよっこらせと立ち上がり、部屋のドアを叩きながら胡蝶の方を向いきながら

「ドアが開かない、窓もない、ここは一体何所なんだろうね?」

と言った。

そして次の瞬間、ナナシは何所から見つけたのか爆薬でドアを吹っ飛ばした、

「さて、僕に着いてこれるかな?」

ナナシは笑顔で胡蝶を置いていった。

「え?ちょっ、待ってーー!!」

胡蝶は大急ぎでナナシを追いかけていった

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~同施設、別室~

「動き出したか…」

帽子を被った男は監視カメラの映像を見ながらコーヒーを飲んだ

「に、しても随分派手にやってくれたね」

そう言った黒縁眼鏡を掛けた男は監視カメラの映像を次々と切り替える。

「この“テスト“に満点で合格したのはたったの18人…果たして今回はどんなスコアかな?」

男は不敵な笑みを浮かべて、コーヒーを飲み干した。

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「こっちも行き止まり…」

ナナシは隔壁が作動した壁を見つめながらため息をついた。

「はぁ…はぁ…やっと追いついた…早いよ…」

胡蝶が壁に手をつきゼエゼエ言っていた、それもその筈、かれこれ400m位全力ダッシュで走ってきたからだ。

しかし、次の瞬間胡蝶が手をついていた壁がガチャリと凹み隔壁が上がった。

「へ?」

「え?」

あまりにもアッサリと開いてしまったので拍子抜けだ…

「取りあえずこれで進めるね、追っ手が来る前に早く!」

「了解!」

胡蝶とナナシは次の部屋へ入った行った、

その部屋はセルリアンが大量に待ち構えていた。

「!!下がって!」

ナナシは胡蝶を後ろに追いやるとセルリアンを一気に全滅させた。

「おぉ!流石フレンズ!」

胡蝶はパチパチと拍手をした。

「そんなことはどうでもいいんだ、それにしても…」

『警備がザル過ぎる?』

急に施設内放送が入る。

「あ、貴方は誰ですかっ!?」

胡蝶がスピーカーに向かって叫ぶ

『我々はこの施設の管理人、そして貴方達は今の所全ての試練をクリアしている、さて、次の部屋に進むとそこには私が待ち構えている、覚悟して挑むように、以上!』

「もしかしてここって…」

胡蝶はある、都市伝説を思い出した。

~数日前本州のとある店~

「ふぅーんジャパリパークに行くんだ…」

胡蝶が友達と共にラーメンを食べていた

「そうなんだよ、商店街の福引きで当たってこれはまたとないチャンスだからね」

「ジャパリパークねぇ…」

その友達は思い出したかの様にスマホを取り出し胡蝶に見せた

「知ってるか?ジャパリパークの都市伝説」

胡蝶はスマホを受け取り、読んだ。

「何々…これは友達が実際に体験した話です、…まぁオーソドックスな始まり方…

ある日、私の友人(以後A)は友達のBと一緒にジャパリパークに行った、最初はいつも通り、バスに乗り散策していたのだが、突如として、バス内が白い煙に包まれたのだ!なんか…しょぼくない?」

胡蝶はスマホを友達に返そうとしたが、

「まあまあ…これから面白くなるから…」

と言われ、もう少し読んでみることにした

「えー…何々…目が覚めるとそこは見たことの無い部屋だった、そこからは出れなかった、私達はもしかして人体実験のサンプルにされるのでは無いかと怯えていた、しかし…

その後は特に何も無く、ただ時間が過ぎていった、するとドアが開き…」

胡蝶がそこまで読み上げると急に画面が暗転した。

「うあっ!ちょ!」

「んあっ?どうした?」

友人はスマホを受け取るとスマホを再起動した。

「んー…リンク先が削除されてる…」

「え?」

「ジャパリパークの隠蔽工作だったりして」

友人はニヤッとしながらスマホをしまった。

「まぁ、気をつけていけよ、ジャパリパークにいるお前の友達?だっけ?によろしくと言っといてくれ」

友達はそう言うと立ち上がり、会計を二人分済ませた

「出発前と言うことで今日は俺の奢りだ!」

「え!本当に!?ありがとう!!」

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「あの都市伝説…まさか…本当に…」

ナナシを見ると、ナナシは既に戦闘準備を整えていた。

「おい、これここにあったから使ったら?」

そう言うとナナシは胡蝶に何か銃のような者を渡した。

「これは…空気砲?」

胡蝶は近くにあったその空気砲?のマガジンらしき者も回収した。

「じゃあ行くか…」

「はい…」

ナナシと胡蝶は隔壁を解除した。

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「会いたかったぞ、ナナシ、胡蝶」

隔壁を開けるや否や数時間前に出会ったあの帽子を被った男が立っていた。

「ようこそ、ここ、最終選抜の部屋へ…俺の名前はコン」

コンはそう言うとナイフを抜いた。

「お前は何者だ!」

ナナシはコンに大声で問いかけた

「俺はセルリアンハンター、セルリアンってのは知ってるだろ?まぁ、そっちの観光客のお兄さんは知らないだろうが、セルリアンってのは、まぁ簡単に言うとサンドスターから作り出された化け物だ、んで、そのセルリアンを駆除するのが俺達ハンターの仕事だ、理解したか?」

「…それでどうすれば僕達はここから出られるの?」

コンにナナシが問いかける

「あれ?さっき言わなかったけ?覚悟して挑むようにと…行くぞ!」

コンは地面を強く蹴って胡蝶に飛び掛かった

「ウアアアアア!!」

胡蝶は紙一重で躱したがまた、コンはすぐに方向転換をし、胡蝶に斬りかかってきた。

(これが最終選抜…ここを突破できなくてはこの組織では生き残れない!さぁ…見せてくれ…俺に!)

胡蝶に刃先が突き刺さろうとしたその時!

「甘い!」

コンのナイフはナナシに弾かれてしまった。

(流石はフレンズ!ならば!)

コンはすぐさまナナシの間合いから出て、壁付近まで下がった。

「早く来ないのかい?(何でわざわざ自分から不利な場所へ行ったのか…罠?か?)」

ナナシはダッシュでコンに近づきコンを無力化しようとした、しかし、彼女はまだ知らなかった…彼、コンがただのセルリアン狩りでないことを…

「これで!終わり!」

ナナシがそう言い、コンに突っ込んで行くとコンはニヤッと笑い壁を蹴りナナシに突っ込んで行った!

「!?」

「寝てろ…!」

ナナシは地面に叩きつけられ、気絶した。

(しかし…ナイフ弾く瞬発力…ただ者じゃない…)

コンはナナシから離れ、胡蝶の方に歩いて行った。 

「あんたは胡蝶之夢、だっけな?戦えるのか?」

胡蝶は首を左右にブンブン振った。

「そうか…じゃあ質問を変える、口は硬いか?」

コンの声にドスが利く

胡蝶は恐怖に負けたのか、首を縦にゆっくりと振った

「それじゃあ着いてこい…」

コンは気絶したナナシを抱えて、胡蝶と共に扉の前に来た。

「メガネ!メインドア!オープン!」

コンが大声で言うとドアはブザーと共にゆっくりと開きだした。

「うっ…眩しい…」 

胡蝶が目を細める

「さあ…今日からお前達は俺達の仲間、いや戦友だ…」

ドアが完全に開くとそこには巨大な建物があり、英語がよく分からないロゴと共にこう書いてあった。

Ceruleanhuntersセルリアンハンターズ…」

コンはそのロゴの前に立つとナナシを抱えながら声高らかにこう言った

「ようこそ、セルリアンハンターズへ!」

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~後書き~

イヤー…なんか微妙な始まり方をしてしまいました新コラボシリーズ…

まず、胡蝶さん、コラボありがとう御座いました!

でも、もうちょっと戦闘シーン増やしとけばよかった…

さて、次回は胡蝶さんが進めて下さるそうです!(胡蝶さんは只今忙しい時期なので投稿が遅れてしまうかも…?頑張って下さい!!)

どんな展開になるのか…楽しみで楽しみで…

それじゃあ!また3話目でお会いしましょう!!

~帽子の男









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