女奴隷を集めた傭兵のお話

エピローグ

　滅びの魔女カーラ、討ち取られる。

　この報が両軍に伝わった後、僅か一日で魔女に支配されていた国は全面降伏を発表。旧領の全ては戦勝国のものとなりました。

　ついでに議会は議員全員物理的に吊るし上げられ、民衆の石投げの的にされました。

　長き戦争を終わらせた英雄イドは勝利国の都へ召喚され、王自らによる涙ながらの感謝と望みのままの褒美を授けられます。そりゃそうですよね、打つ手のなかった魔女の気まぐれで殺されるかいつまで経っても戦争を終わらせられない無能王として民衆や部下に見限られるかも知れない生活からの解放ですから。

　では、とイドが望んだのは二つ。

　一つは傭兵らしく、一生使いきれないほどのたっくさんのお金。

　もう一つは今回国が手に入れたある土地。

　歴史の闇に葬られたイドの素性を聞いた王はこれまた涙を流しながら二つとも快く了承しました。

　褒美をもらったイドはすぐに石壁の街へ帰りました。

　もらったお金でたくさんの女奴隷を買い、かつて失いながらも今回正当な報酬として受け取った故郷の地を踏み。

　改めて故地に尖り歯の一族は凱旋したのです。

　今は何もありませんが、やがてイドと女奴隷たちは灰と消えたこの地を復興させ、一族の村落を作り直し、そして。

　傭兵と女奴隷は、たくさんの子供に囲まれ、末永く幸せに暮らしたのでした。

　めでたし、めでたし。