第2話

「ー…あの後な、ふわりの話を聞いたらパパいてもたってもいられなくて施設に行って海夏君を引き取ることにしたんだ……」


 うん。海夏君を家で見た時から何となくそうなんだろうなって分かってた。

だって、パパは世界一優しいもん。

だけど……。


「ー…でも、だからってパパはふわりだけじゃ物足りないとかじゃなくてその、ママが事故で亡くなってからふわりにはとても助けてもらったしふわりだけじゃ寂しいってわけじゃないけど何ていうか……」


 分かってるよ。パパ。

パパはあたしが心配なんだ。

純粋にあたしを思ってくれてるし、あたしもパパを思ってる。でも、駄目なんだ。

 

 皆が、周りの人も幸せじゃなきゃ。

それはパパもあたしも同じ考え。

やっぱり家族だね。


「あたしはただ、言ってほしかっただけだよパパ……。一人で何でも決めないで話し合おうよ」

「ふわり……ありがとう!!」


 もう、号泣するのは構わないけど抱きしめないでよね。

 あたし達の隣では海夏君が微笑んでいる。


「宜しくね。海夏君」

「宜しく……ふわり」


 ズビズビ鼻をすすりながらパパが、あたしから離れた瞬間。


「ああッッ!!そういやパパ仕事抜け出して来てるんだった!この後会議だし、急いで仕事に戻らないと後は頼んだぞッ!!」


 ポンっとあたしの肩を叩いていそいそと家から飛び出して行った。


「……何あれ」

「さあ?」


 顔を見合わすとお互いに目を点にしていたのがおかしくて笑いあった。


 ん?あれ?あれれ?

パパ、行っちゃったよね。


 てことは海夏君とお留守番……だよね。

えー…と、二人きりで。二人きり……。


「うえあええええ??!!」

「どうした?急に叫んで。大丈夫か??」


 ちょっと前まで急にいなくなった友達だったのに急に二人きりは気まず過ぎるよ〜。


 ちらり。

海夏は不思議そうに首を傾げている。



拝啓天国のママ、どうしましょうあたし。






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