君と家族になるなんて
@Yoakira
第1話
あたしは願った。
たった一日前…つまり昨日のこと。
「
う〜ん…。
これはあたしの夢?
いや、確かに願ったよ?願ったけど、、
「なんで海夏君があたしん家いるの?」
そう、目の前に海夏君が!!
海夏君の隣には呑気にパパがニコニコ。
「おかえり、ふわり」
「ただいま…じやなくてッ!!」
え?え?え?頭大混乱なんだけど。
腰が抜けて足に力が入らない。
「久しぶり、元気だった?」
声が……低くなってる。けど、笑い掛けてきた笑顔は前と全然変わってない。
ホッとして肩の力がぬけていく。
「どうして泣いてんだ?!」
慌てふためく海夏君はパパに助け船を目線でチラチラ送る。
「……元気…だったよ。ごめんなんかホッとしたら涙が…」
パパが穏やかに笑った。
「落ち着いたらリビングに来なさい。どういうことか説明するから」
……うん。
「なぁアイツ覚えてる?ほらー…龍と仲良かった奴」
ああ、地雷来た。
それ
何で急にその話持って来たの。
「……海夏の事か?」
ほら、龍がさっきまで楽しそうに笑ってたのに声のトーン低ッッッッッ!
それは昨日のこと。これから真実を初めて知る時。
「そうそう!海夏!!そいつ急に中一の時学校来なくなったじゃん?」
あたし達に何も言わずにね。
あたしと龍と龍のこと好きで今も龍を心配している
そう思ってたのに。
「俺らには何も言わずにな。所詮その程度の仲の奴だったけどな」
「ちょっと龍!そんな言い方しなくても」
「真白は黙ってろ!」
「で、でも。ふわりぃ」
あたしに助けを求められても、真白の助けだし仕方ない。
「龍一旦、落ち着こ?この話辞めにしない?」
この話を持ち掛けたのは親情報に詳しいクラス委員長。
あたしたちの事なんかお構いなしに話を進めていく。
「俺の親情報なんだけど、海夏って施設に入れられたんだってよ」
ー…え?
「は?今なんて言った?」
「施設って聞こえたんだけど」
あたしが思っていた事を龍と真白が言った。
痛い。鉄で殴られたような衝撃。
「海夏の母親が再婚して、その再婚相手のオヤジが暴力ふるう奴だったらしい。そんでもって妹にも暴力振るいそうだったから海夏が助けたらコイツはいらねぇって施設に送られたってよ。妹は小さいし女だからって施設に送らず、姉は中卒でもう働いてるらしいぜ」
あたしたちにはそんな事ー…。
家に帰ってからもそのことが離れなかった。
「〜…はぁ」
何か食欲わかない。
「どうした?ふわり。元気ないな」
あたしが食事の手を止めてるからだろう。
パパが心配している。
「今日ねー…」
あたしは今日聞いたことを全部話した。
「そうか、そんな事が……パパちょっと今から出掛けてくる!」
困っている人とか絶対に見捨てられないほど優しいパパ。
号泣してたのに、ビューンと家から出ていって、んんん?!!
普通にこの話の後どっか行っちゃう?!って思ったけど。
何だかなぁ。元気が出ない。
あーあ。
「海夏君を引き取れたら良いのにー…」
つい昨日のことなのに変な夢でも見てるのかなぁ……なんて。
思わずにはいられないんですけど。
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