メンヘラ女子

chia

第1話 狂う女


10年前、うつ病になった。

それは昔からあったのかもしれないが、いつの間にか私の脳を、体を蝕んでいった。


大学3年生。就職活動真っ盛り。

就活セミナー、会社説明会。毎日毎日、就活で頭がいっぱいだった。

仕事は大学が商品デザインを学んでいたので、やはりデザイン関係を志望していた。

だがデザイン会社にコネなんて無い。

私は一般的な就活イベントに行くことしか方法が分からなかった。

内気で人見知り、でも完璧主義で短気な私は、この日々がとっても苦痛で嫌だった。

黒いリクルートスーツ、皆同じ髪型、ナチュラルメイク、低姿勢。

あーーー、苦しいなぁ。。早くこの地獄から抜け出したい。


そんな毎日にある日、アイツはやって来た。

朝起き、リビングに行く私。父が会社に行く支度をして、母は洗濯を干していた。

私は朝なのにスッキリしない頭で苦しかった。

実は前日も一社選考に落ちたのだ。

「そのうち見つかるでしょ。」と簡単に片付ける母。

「また落ちたの?よく落ちるなぁ。」と一番言って欲しくないことをサラリと言う父。

私はどんどん体にストレスが溜まっていた。


いつもなら泣いてスッキリさせるのだが、今朝は違う。

「きゃーーー。」

何故か悲鳴を上げる私。

目を手で覆い泣き倒れる。

いつも以上に涙が止まらない。

狂った、私。。。


実は昨日。一社落ちただけではなく。。。


東京で一人暮らし、社会人の有能な姉がたまたま帰っていて、涙を抑えながら会話をした。

「就活どう?」

「ダメだねー。」

本当は泣いてすがりたいが、姉は厳しい人なので言えなかった。


「大学の先生が前に就職先紹介してあげるよって言ってたから先生のとこに行ってくる よ。」

姉にそう言い東京の大学に向かった。


ガタンガタン。。

揺れる電車に好きなバンドの音楽。

涙をこらえながら大学に向かった。



「先生、就活がうまくいかなくて。。どうすればいいかわからなくて。。」

泣き沈んでいる私に先生はサラリとこう言った。

「あなたにむいている仕事なんて無いよ。アルバイトでもしてたら?」


この一言で私は完全に狂ったのだ。


目の前が真っ暗。人生真っ暗。

今朝の悲鳴。心の悲鳴。

もう就活は自分の限界をゆうに超えてしまったのだ。


ストレス ストレス ストレス


あーーーーーーーー!!!

悲鳴が朝の家に響いた。

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