気がついたら、都市伝説好きな人に拉致ってマジ?

にゃおん

第1話 都市伝説の世界へようこそ

キミは、都市伝説を信じるか?

そう聞かれたら、皆さんはどう答える?

人によってはその類いが好きな人もいるだろうか

俺は、都市伝説なんてもんは信じない!あんなものは、暇人が楽しむ事だろう

俺には、そんな時間はない。


ーーーーーー

『はぁ、今日も残業だったな。終電間に合うかな』

今日も残業でクタクタになり、終電に間に合うか微妙な状態になり焦っていた。

この男、名前は大藪相馬(おおやぶ そうま)

IT関連に勤める25歳、独身である。



本日も残業になり、終電ギリギリで大藪は焦っていた。


大通りの交差点の歩行者信号機がちょうど青になり、また走って渡り始めた。その時である。

青だった信号機が点滅もせずに急に赤に変わってしまった。

たしかに青だったのだ……青だった?はずである。

青?いや青に決まってる。

『なんで?青になったばかりなのに……あっ!あぶなっ…い…』

勢いよく車が走ってきて、大藪相馬は車に轢かれてしまった!

車の運転手が慌てて近寄ってきた。

『おい!大丈夫か?なんで飛び出してきたんだ!これはまずいな、救急車呼ばないと…』

『なんでって?信号…機は青だ…ったはず…じゃ…』

そのまま男は意識を失ってしまった。

目の前は真っ暗になった。

ーーーーーー


『お…』

『お…ぃ、おー……ぃ』

なにか聞こえる。

『おーーい、起きろよ!』

誰かが呼んでる?いや、そんなはずは……

俺は死んだはず…

『いつまで寝てるんだ!勝手に入り込んで』

うん?うるさいなぁ……

入り込んで?どこに?俺はいまどこにいる?

『おーい!大藪くんー』

えっ?なんで俺の名前を?

そしてゆっくりと目を開けた。

そこは、西洋っぽい屋敷のような場所だった。

壁は白く、少し汚れたような風合いで天井にはシャンデリアが飾ってあった。


と辺りをキョロキョロとしていた時に

男性が近寄ってきた。

『おっ!やっとお目覚めかい。まったく、全然起きないんだからさ』

ずいぶんとイケメン風な男性だった。このタイプは好きではない…

『すみません。あなたは誰ですか?ここは何処ですか?俺は生きているのですか?なんで、自分はここにいるんですか?教えてください!』

頭の中が整理出来ずに、口から色々と質問が出てしまった。

『起きたと思ったら、質問責めかい?参ったなぁ』

『まぁ、無理もない。ずっと眠っていたからね。まずは自己紹介をしよう。僕は、ここの屋敷支配人をしている。ここは、都市伝説を研究している家さ!キミは、なぜここにいるかだけど、今は言えないんだ。申し訳ないね。あと……』

支配人は、何とも言えない重たい空気を醸し出した。

そして、

『今のキミの状況だけど生きているとも死んでいるとも言えないかな、例えて言うならば心臓は動いているが息をしていない。目を開いているが喋らない。みたいものさ』

わかったような分からないような……とりあえず、考えてもいられるし質問も今は出来る。それは生きているって事じゃないのか?

まずは、ここから出る事を考えよう。

『とりあえず、家に帰りたいんだけど終電は終わっているだろうけど』

明日も仕事だし、どんな状況だろうと明日は平等にやってくる。

『まぁ、言いたい事はわかるけどさ。ここは都市伝説を研究している屋敷だ!都市伝説に興味はないかい?一緒に見て回らないか?せっかくだし』

支配人の目が輝いていた。よっぽど都市伝説とやらに夢中なのだろう、俺には関係ないことさ。

俺 は 都 市 伝 説 な ん て

信じていない


『その前に、ここから帰る事は不可能さ!帰る扉は無いからね。』

そ、そんなはずはないだろうと周りを見渡したが……

『と、扉がない!?嘘だろ!』

変な汗が出てきた、いま起こっている出来事が理解できない。

『まぁ、そんな訳で都市伝説の研究に手伝ってもらうよ。帰る事が出来ないなら、前に進むしかないだろ?大藪相馬くん』

なぜ俺の名前を?そういえば、眠っているときも俺の名前を呼んでいた気が……

この支配人は何者だ?俺の事を知って連れてきたのか?

帰れないとわかっては、従うしかないのか……

腹をくくるしかないか。

『わかったよ。手伝ってやるよ!ただし、俺は都市伝説なんてものは信じていないから。そこは勘弁してくれ』

支配人は不敵な笑みを浮かべた

『今は信じていなくても、いずれは信じてしまうよ。きっと……』

信じていない都市伝説の解明を手伝いをする事になってしまった大藪相馬。

この先に、どんな都市伝説が待っているのか……


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