第15話 和也の結婚と神々の祝福

居間には家族全員に梅ちゃん、花ちゃんもいる・・そしてゼオンさん、ミーニャもテレビの横で寝ている、タロはまあ庭で寝ている


「まずは私から、ゼオンさんの診断ですが、赤ちゃんが出来ました、まだ暫くは生活に支障もないですが、外出は減らしたいと思います、美菜と和也も治癒系の魔法が使えますし、二人でシラクサの方をしばらくお願いしますね。」


「なんていった?」

和義が聞き返す


「赤ちゃんが出来ました」


「本当なのか!産婦人科に!・・・ってそんなのないか・・・」


「ふふふ、そうね、ここで生みます」


「大丈夫なのか?美恵に何かあったら・・」


「むしろここの方が安全でしょう、ここは神の祝福がある土地、丈夫な赤子が生まれる事でしょう、康江さんもついてくれる、私だって何かのお役にたつでしょう、胎児に何かあれば私の力も役にたちますしね」

ゼオンさんが言い切った


「ゼオンさん、それは有難うございます、お義母さんも改めてよろしくお願いします、私も元看護師ですから、知識はありますし、既に二人も生んでますからベテランママですよ」

美恵は微笑みながらいった


「女神」の称号をもつ美恵のほほえみは怒りのや妬みといった悪しき感情を無くす効果があり、悲しみ、緊張などの感情も和らげる、少し泣いていた梅も、感情が高ぶっていた美奈も落ち着いている


「美恵!ありがとう・・・・愛してる」


和義が美恵に抱き着いた、


「こら!お父さん、子供達も見てるでしょ・・もう」


「いいじゃないか、お前達、お兄ちゃんお姉ちゃんらしく頼むぞ!美恵を助けてくれ」


「わかった、」


「大丈夫よ!私の『気功術』お兄ちゃんの『ハイヒール』があれば大概の病気は対処できるし、シラクサの町の方も任せて、それに最近治癒魔法使いさんも移住してきたし」


「おめでとうございますお母さん」

梅も笑顔で美恵をたたえた


「そうでしゅか・・・花もうれしいでしゅ・・花のハチミツは栄養満点でしゅから毎日飲むのでしゅ」


「花ちゃん!ありがとう」

美恵は花の頭をなでる


実際花ちゃんの蜂蜜には助けられている


食べることにも使えるけど、油などを分解する力が強く、水に溶けやすい性質があるので洗剤やシャンプーとして使えると教えてもらった

最初は蜂蜜で頭を洗うなんてと抵抗もあったけど、使ってみると髪はサラサラでリンス要らず、洗濯物も色落ちせずに汚れはきっちり落とす


そして排水は環境を汚さず、栄養分は畑の栄養となる


町の人も、遠くの帝都ではキラービーの蜂蜜は物凄く高価だと言っていた、手ごろな値段で売っているシラクサに住めてうれしいと言っていた

この蜂蜜の転売目当てで貿易船も来るくらいだ、シラクサ商会が販売管理を行っているので、貿易船に回る量は少ないが、一年中花が咲いているこの我が家の農場では蜂蜜は大量に作れる、花ちゃんも大忙しなのだ。


「そうだ!お兄ちゃん!はっきりしてほしい事があるんだ!」


「そうだ!和也!大事な話だ」


「うん?」


「梅ちゃんの事だな」


「あ!まって!先に俺に言わせてほしんだ」


「なんだ?」


「梅ちゃん!」


「は!はい!」


「僕は梅ちゃんが好きだ、母さんや父さんみたいに梅ちゃんとなりたいと思っている」


「で!でも私はデーモンスパイダーです、ぜひ奴隷として使って下さい・・それでも私は幸せですし、もし可能でしたら私に種を下さい、それは和也さんとの別れとなりますが・・・それでも私は幸せです」


「いや!聞いて欲しい、デーモンスパイダーの事はパソコンから聞いている、それでもなお僕は梅ちゃんが好きだし・・梅ちゃんを失うような事はしたくない・・・」


「しかし・・それでは」


「過去に勇者がデーモンスパイダーと結婚して人間の子供を産んだという話があるそうだ。『進化指定』というスキルを習得すれば、梅ちゃんはヒューマンスパイダーに進化できる、・・・まだ僕は弱いから・・信じられないかもしれないが・・・僕を信じてくれないだろうか・・」


「と言いますと?」


「僕と一緒になって欲しい・・そしてパートナーとして共に戦い共に強くなり、『進化指定』を獲得した時、僕は梅ちゃんと結ばれた・・・」


「こんな私の為に・・・・どうして!」


「だって、好きになっちゃったから・・・・」


「私も和也さんが大好きです・・・・うぅ・・・私で良ければ、でもいつもで見捨てても私は怨みません・・」


「よく言った!それでこそ俺の息子だ!」


「うん!兄貴の癖にかっこよかった!」


「フォフォフォ・・梅殿の父上に似ていましたな」


「え!」


「梅殿の母上はミンシア殿といって、数少ないヒューマンスパイダーに進化した経験のあるデーモンスパイダーでした」


「じゃあ梅ちゃんのお父さんって」


「勇者ローエングリンです、ローエングリンの思念が私に梅殿とミンシア殿を頼まれましてな、それとなく二人を見守っていました、しかしミンシア殿は残念ながらお亡くなりになられました。」


ゼオンさんは懐かしむように話した


「私は勇者ローエングリンとパーティだった事もありましてな、ローエングリンは妖魔や亜人たちでパーティを組んでいましたから、テイマー勇者と呼ばれていましたよ」


その時異変が起きた、電気は消え、いきなりテレビが付く


また神さまだ


「ふぉふぉふぉ、こういう会議には是非私も参加しないといけないと思いましてな」


「神様!僕の運命をもてあそぼうとしてましたね」


「それはちと違う、そなたの思考を操作できるほどわしに力は無い、ただ、めぐりあわせを起こさせることはできる、そこから予測した道筋を作る それがわしの仕事じゃからな」


「でも、僕の事は僕が決める」


「ふふぉふぉふぉ、それは和也が決めればいい、運命まではわしは覗けぬ、まさかローエングリンの娘がこの森にいたとはのぅ

ただのぅ・・・エリサも特別な存在でもあるんじゃのぅ・・ヴィーナス」


奥にいた美しい女性が初めてこちらを向いた

絶世の美女・・花ちゃんが大人化した時も言葉を失ったが、花ちゃんには申し訳ないが、心臓が止まりそうな美女というのだろうか・・・父さんも顔が赤くなっている、あのゼオンさんでさえだ


「さよう・・エリサは前世界の記憶こそないが私が祝福をした転生者じゃ・・・ヴィーナスの祝福を受けた女は渦を巻き起こすほどの美貌を持つ、だから渦を巻き起こさないためには強きものをあてがうしきたりがあった、ゆえにこのゼウスと共にそなた達に力を与えた、エリサを安定させるためにな」


ゼウス?ヴィーナス?


「何を驚いておる?美恵の女神属性はゼウスの妻ヘーラーの祝福、康江はマーズの祝福、和義はゼウスの息子ヘパイストスの祝福、美菜にはゼウスの娘ベローナの祝福が得られている』


{ゼウスは全知全能の神、ヘーラーは結婚と母性の神、マーズは農耕と戦いの神、ヘパイストスは雷と火山の神、ベローナは戦闘の女神である、流石は和也!ゼウスの祝福であったとは}


「ゆえに君たちは神の中でも最上級の神達から祝福を受けている移転者じゃ、勇者ロ-エングリンはわが兄ポセイドンの祝福がある、妖魔に戻ったとはいえ梅にもアポロンの祝福はあった様じゃな、だから和也に出会ったんじゃろう」


「ふむ、我ら12神の力を持っていても運命という物は変わらない、しかしエリサを守るのは必要なのじゃ」

ヴィーナスは涼しい目でこちらを見ながらつぶやく


「だから、エリサを守る為、我ら上位の神達がエリサの住むシラクサの町の側、魔力だまりに君たちを移転させた」


「でもエリサちゃんはまだ5歳よ・・・そんなすごい子には見えないけど」

美菜が聞き返した


「まだ子供じゃからな、ヴィーナスの祝福を得たものは絶世の美女となろう、それは男たちの羨望、妬みを生み出す、前回の娘はどうなったかのぅ、ヴィーナス」


「ふん、リンチャはビエンシャ帝国の姫として生まれたが、姫を巡り争いが起きた、そこに悪魔が姫にとり尽き争いが助長された、やがてその悪魔は魔王ゴーラムとなり数多くの人間を葬り去った・・忌々しい」


「とまあこんな感じじゃ、ヴィーナスの祝福は毎回渦をうむからのぅ」


なんてはた迷惑な・・・


「迷惑と思ったか和也!だが私の祝福が無くては人間は美しい姿をとどめない、故に定期的に私の祝福は行われる、女子には分かるだろう美恵、美菜」


「でも、それで争いなんて」


「わらわの祝福が無いと、シワが増えるぞ!美恵」


「それは困る」


「ちょっとお母さん!」


「美菜、わらわの祝福が無いと、女はニキビが増え、若き女子でさえも脂肪を蓄え、髭も生えてくる」


「うっ!それは・・・」


「人が人型である為に、わらわは存在する、それが美の神ヴィーナスの役目である」


「まあアテネやヘーラーにも美を作る力はあるが下々の物にまでに影響を与えるのはヴィーナスの力じゃ」


「じゃあ私たちはエリサちゃんを守るためにこの世界に来たわけ?」

美菜は聞き返した


「移転者にしろ転生者にしろ、条件は前世界で死ぬ運命だった事じゃ、エリサに救われたと思ったほうがいいんじゃないかのぅ」


「それもそうねぇ」


「そして美恵に子供ができたな、女の子じゃ、アテネが祝福したがっているからのぅ」


「どんな神様なの?」


「アテネは知恵、芸術、戦術の神じゃ賢い子に育つじゃろう」


「さて本題に入ろうゼウスよ」

ヴィーナスは真剣な顔になる


「うむ、和也と梅の結婚を祝福しよう、我妻ヘーラーの祝福じゃ最大級の祝福と言える」


「そして、その議はヘーラーの祝福を受けている美恵が行うとよい、より一層の絆がうまれようぞ」


「いいわよ!」


「和也!梅ちゃんを幸せにしなさいそして守ってあげなさい」


「うん!」


「梅ちゃん、ちょっと頼りないけど和也をよろしくね」


「はい」


「うむ、形式は違うが問題ないじゃろう」



「お兄ちゃん、梅ちゃんおめでとう!」


「おい!美恵!和也が結婚したぞ・・・」


「ええ!お父さん」


「おめでとうございます」

ゼオンさんが見た事ない花束を出してくれた


「おめでとう和也!婆ちゃんも長生きして良かったよ」


「なんか、おめでとうがいっぱいでしゅ!」


「眠いにゃ静かしてほしいにゃ」


「さて!ここで終われない、和也!お主は勇者じゃ、勇者は人々を助け魔に対峙する存在、特にゼウスの祝福を得ているお主だ、その責任は大きい」


「そして梅!その勇者の妻となり「指定進化」を受けるためにはお主も成長を遂げねばならぬ、ことヘーラーの祝福を得た絆じゃ、離れることは許さぬ、よいな」


「はい!」


「では和也と梅でパーティを組むがよい、そうすればウラヌスの祝福も得やすい、日本人だから七福の祝福でもよかろうが・・パーティについてはパソコンに教えておくよく理解されるがよい」


「では和也、わらわも忙しい、エリスを頼むぞ」


「わかりました、ヴィーナス様」


テレビが消える間際ゼウスの声が少し聞こえた


「ふぅ・・・まさかポセイドンが絡むとはのぅ運命というのは面白い、ところでヴィーナス相変わらず美しいの今晩どうだ?」


「馬鹿を言え!嫉妬の神の逆鱗に触れ等は無い」


そんな会話が聞こえてテレビは消えた


こうして僕は結婚しました、でもしばらく童貞です・・・


**************


和也は勇者の覚醒をした

    各スキルが大幅にアップした

    パソコンのスキルがアップした

    「パソコン」は「神の知識」へと進化する(名前はパソコンのままである)


梅の『萌』スキルが『勇者を支えるもの』スキルに変わった

梅のLVが和也と同じレベルに上がる

神の祝福を得たことによりすべてのスキルが人型で出すことが可能になる

魔法の習得が解禁された


和也と梅はヘーラーの祝福により「絆の共同体」スキルを得た

和也と梅の魔力は共用となる、またステータスも共用となる。


美恵はスキル「ヘーラーの祝福者」を得る

ヘーラーの司祭の力を得て結婚の儀式を取り仕切る力を持つ





和也 勇者Lv16

 スキル「神の知識」lv10

    「一刀両断」戦士スキル、一撃で致命傷を与える

    「絆の共同体」

     剣技 lv25

     剣技短剣 lv20

     棒術 lv15

     治癒魔法「ハイヒール」lv18

     風魔法「エアカッター」lv16

     火魔法「火球」lv18

     土魔法「土移動」lv19


梅 魔蜘蛛 lv16

 スキル 「勇者を支えるもの」

     「絆の共同体」

     粘糸 

     鋼糸

     擬人化



美菜 格闘家lv23

 スキル 「旋風脚」lv13

     「一撃必殺」lv10

     「チャクラ」lv10

     「気功術」lv10

     「気弾」lv5


和義 戦士 lv50

 スキル 固有武器「チェーンソー」

     剣技 lv30

     剣技短剣 lv40  


美恵 賢者 lv46 称号『女神』

スキル  「ヘーラーの祝福者」

     風魔法「エアカッター」lv25

     水魔法「女神の祝福」 lv1

     治癒魔法「ハイヒーリング」 lv8


康江 魔法使い lv95

 スキル 火魔法「火球」lv87

     土魔法「形成術」lv60

     光魔法「サーチライト」lv40

     空気魔法「空気圧縮」lv50

     闇魔法 「バイオコントロール」lv40

         「ダークミスト」lv45


ミーニャ 化け猫 lv5

タロ 犬 lv3 

    「逃げ足」lv8  


花 殺人蜂 lv46

 スキル 「婆ちゃんのお気に入り」よく働く花ちゃんは婆ちゃんのお気に入り

     「大号令」



守護者 ゼオン 長寿朴 lv85

    スキル「魂感知」






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