第12話 エモナロードの完成~プリンの謎

父さんは毎朝早くから作業に入る、木を切りスコップで根を掘り、その怪力で引っこ抜く


僕も婆ちゃんから教わった土魔法で整地を手伝う、時折ゼオンさんも手伝ってくれる

ゼオンさんが木に手を当てて念じるとその気は腐り始め土になる、こうやって木の間引きを日ごろ行っているという事だ


美菜が手伝う時はその一撃必殺スキルで木を粉砕する、いわば練習のようなものである


そのせいか美菜の一撃必殺スキルがレベル9になっている

パソコン曰くこれは異例中の異例で美菜特有だという

本来会心の一撃系のスキルはレベルが付かない、自信の基礎攻撃地の2倍の値をたたき出すのが基本だそうだ

僕の一刀両断スキルにレベルがないのもそのせいだ発生率は10%で威力は2倍になる


美菜はlv9なので発生率の向上と倍率の向上、lv9の美菜は50%の発生率と9倍の威力になっている


美菜の一撃が決まると木は内部から破裂して砕け散る


妹が化け者になってきた


そして梅ちゃんが粘糸を出して土を固める、粘糸を出すとき梅ちゃんは蜘蛛の格好になるので見ないようにしている

梅ちゃんも見られたくないようだ・・


鋼糸は手から出せるので人型のままである


梅ちゃんもこの作業により大幅にレベルが上がっている

我が家で過ごす機会が多いので土地から魔力の供給があるのも大きいらしい


そして転移の日から8か月 時期は8月だ夏の甲子園は史上最強打線と言われた智辯和歌山高校が優勝した。


父さんは高校野球が好きなのでよく見に家に帰っていた、その間は僕と美菜と梅ちゃんで作業を進める


そして8月末には森を抜けた、後は町までの道を整地するだけだ

その作業は婆ちゃんがひょいっと魔法をかけたら数秒で終わってしまった


「やった~」


「ああ!やってやったぞ!和也!美奈!梅、母さん婆ちゃん!ありがとうな!」


「いや父さん!僕の方こそ!道ができてバイクも乗れる!」


僕は早速、家に戻り、バイクにまたがった


「完成しましたか・・・待ちくたびれましたよ和也!」


おっと!もう驚かない


「待たせたね」


「魔力は満タンです」


「おk!じゃあ行こうか!」


フルスロットル!おおおっと!ウィリーしちゃった!久しぶりだしな・・・


久しぶりなのもあるけど、jog間違いなく早くなってる


「私も進化してますからね、車たちに負けてられません」


「進化って、例えばタンデムシートになったりする?」


「お安い御用です、馬力だって上がってますから3.4人乗れますよ!」


「いや一人追加でいいよ!それに妹にもバイクを教えてあげたいし」


「いいお兄ちゃんだな和也!」


父さんもプラドを取りに車庫に行っていた


「おうおう!そこのバイク!プラド様に道をゆずりな!」


プラドは口が悪い


「図体がデカいだけの車が!抜けるものなら抜いてみなさい!」


「なにお~バイクの分際で生意気な!」



「おおおわっと、おいプラド!安全運転だ!」


「ち!和義の言うことは聞くぜ、しょうがねえ、久しぶりのロードだからな俺も興奮してるのよ」


あっと言う間に、みんなが待ってる合流点についた


歩いて2時間が10分か、やっぱいいな!


「美菜!乗ってみるか?」


「いいの?」


美菜はバイクにまたがる


フルスロットル! おおおおい


美菜は畑に突っ込んでいった



「おやおや勇者様!元気のいい馬ですな!」


「はは、そうだね」


村人には馬に見えるのがJOG


「もういい、バイクなんか乗らない、お父さんのプラドに乗る」


美菜は不貞腐れてしまった・・・


そうかじゃあ、


「梅ちゃん後ろのシートに乗ってみる?」


「いいんですか・・・その怖くないですか?」


「捕まってれば怖くないよ」


梅ちゃんが乗ってるから安全運転だ、二人乗りしても捕まらないしね

梅ちゃんはしっかり俺を抱きしめている、胸のあたりのふくらみも感じる・・・ふふふ


だんだん梅ちゃんも慣れてきたのか 周りの景色を見ながら会話も出来るようになってきた


「もっと早くも出来るのですか」


「出来るよ!やってみる?」


「はい!」


「しっかり捕まってね」


「はい!」


バイクはスピードを上げる、すぐ後にプラドも続いた


すぐに町の入り口についた


「これは勇者様、今日はお父さんも、それにしても見事な馬と見事な馬車ですなあ」


こっちの人にはそう見えている


「はい!道ができたので早速乗ってきました」


「そうですか!それはめでたい、どうぞ!」


もう僕たちには通行証は必要ないシラクサの町で僕たちは認められている


梅ちゃんを変な目で見る奴ももういない、奴隷なんかじゃない僕たちの家族だから。


ただ時折貿易船の商人は梅ちゃんを買おうとする、まったく・・人間てやつは・・・



プラドに積んだ今日の収穫をシラクサ商会に卸した、そしてシラクサさんを我が家に招待しようと話してみる


ミナスの森は道ができたとはいえ町人には危険な魔物が多い


だから今まで招待してなかったのだが是非見てほしいのだ我が家を


「ええいいんですか!それは有難い!是非に」


シラクサさんはこの町の長なのに相変わらず腰が低い


「では馬車にお乗りください!」


シラクサは馬車に乗る、乗ったとたんにシラクサは目を疑った


「これはいったい・・・もしや転生前の乗り物でしょうか?」


車越しに見ると僕のバイクはバイクとして見える


「あれは‥さっきまで馬だったのに、それにこの馬車の馬はいったいどこに」


シラクサは思い出したようにいった

「これは車ですか!」


「おう客人が戸惑ってるぞ和義」


「しゃべった!」


「おう俺はプラド!TOYOTAのSUVいや日本を代表するSUVよ」


「すごい・・・私は夢をみているようです、祖先の伝記にありました・・・祖先の時代アメリカ軍の車が幅を利かせて狭い日本の道を走っていたと・・日本!もしかして皆さまは日本からの移転なのですか」


「そうですよ!」


「じゃあ私と同じ祖国なのですね、と言っても私の祖国はここですが」


「でもよう、計算が合わねえな、祖先さんはどれくらい前の人だ?」


「もうなくなって500年は立ちます」


「そこだよな、俺たちはここにきて9か月目だが、聞くところだと50年くらい前の日本だ・・」


「そういう難しいことはお兄ちゃんのパソコンに聞けばいいよ」


「それもそうだな!」


親子である、体育会系親子だ、疑問に思ったことに過程を考えずすぐに答えを求める、答えが分からずとも追求せずそのままである


あっと言う間に我が家についた、お客さんがのっているんで安全運転だが30分で我が家だ


「もう着いたんですか!それに全然揺れない、」


「おう!和義たちが整地してくれたのもあるが、俺のサスペンションの賜物でもあるぜ!」


シラクサさんを我が家に招き入れる、先日とうとう牛乳が手に入った!シラクサに農家も戻ってきて、牛を飼う人も出てきたからだ、


「いらっしゃい、シラクサさん 是非夕飯を食べていってください」


「おや!お客さんですか!こんばんは」


「康江さんとえ~と?」


「私はドライアドのゼオンです」


「ドライアド!森の管理者の!それに明るいです‥この光っているものは、それにこの薄っぺらい箱の中で動く小さな人は?」


「こんばんあ!花です、今日は!バカ殿の日だからね!チャンネルはこのままよ!」


「花ちゃんはバカ殿好きだね」


「うん!」


「美味しい!これはジャイアントボアですね、醤油と生姜でしょうかこんなにおいしいとは」


「花のハチミツも入ってるよ」


「そうか、だから甘いのか・・」


「それにこのつぶつぶした、穀物は麦ではない・・いったい?」


「これは米です、田んぼがないのでまだ我が家だけの産物ですが」


「粉にしないで茹でただけですか?炊く?なるほどそういう調理法ですね」



「デザートです食べてみてください」


「やった~なんて久しぶりのプリン!夢にまで見たよ!」


「これが噂のプリンでしたか、プルンプルンしてますね」

梅ちゃんも興味津々だ


僕も我慢できない、一口食べた瞬間・・・・うま~い

こんなうまいプリン初めてだ



「おいしい・・・・凄いですお母さん!私も作ってみたい」

梅ちゃんが母さんに作り方を聞こうとする


「うまい・・うまい・・・蜜柑の密よりうまい」

花ちゃんも夢中だ


「ほ~長生きするものですこんな食べ物があったとは」


「久しぶりに食べると美味しいねえ」

婆ちゃんもゼオンさんも気に入ってくれている


シラクサさんは


あれ?固まっている


「こんな食べ物あったんですね・・是非町に広めたい・・・みんな幸せになります」

なぜか泣き始めるシラクサさん


「意外と簡単なのよ!でも転生者って結構いたんでしょ?なんでプリンがなかったんでしょ?」


確かにである、卵と牛乳と砂糖でできるプリンが存在しないというのも不思議な物だ


{プリンが広まっていない謎は私にも分からないが、美恵は間違えている、確かに転生者は多くいるが移転者はそれほど多くない}


移転と転生の違いって・・いや今はいいや・・・プリンを味わいたい


{そうか・・・残念である}


プリンの謎が生まれたが話が長くなりそうだしプリンの謎で抑えておこう


そしてその謎はさらに広がる、あんなに感動していたシラクサさんだが家を出た瞬間にプリンの事を忘れているどういうことだ


{これは何らかの制限が掛かていると考える、例えば能力者のユニークスキルとか}


俺たちにはかからないのか?


{斎藤家に祝福を施した神はかなり上位の神である、その祝福ならば他の転生者の制限など受けないだろう}


こうしてプリンの謎が生まれた



**************************


和也はレベルが上がった lv12→lv14

     魔法「土移動」を覚えた


美菜はレベルが上がった lv19→lv23

     スキル「チャクラ」を覚えた

     スキル「気功術」を覚えた


和義はレベルが上がった lv50→lv51


梅はレベルが上がった lv12→lv25


-----------------------------------------


和也 勇者Lv14

 スキル「パソコン」lv80

    「一刀両断」戦士スキル、一撃で致命傷を与える

     剣技 lv15

     剣技短剣 lv12

     治癒魔法「ヒール」lv6

     風魔法「エアカッター」lv4

     火魔法「火球」lv5

     土魔法「土移動」lv6 


美菜 格闘家lv23

 スキル 「旋風脚」lv12

     「一撃必殺」lv9

     「チャクラ」lv5

     「気功術」lv4


和義 戦士 lv50

 スキル 武器「チェーンソー」

     剣技 lv30

     剣技短剣 lv40  


美恵 賢者 lv46 称号『女神』

 スキル 風魔法「エアカッター」lv25

     水魔法「女神の祝福」 lv1

     治癒魔法「ハイヒーリング」 lv8


康江 魔法使い lv95

 スキル 火魔法「火球」lv87

     土魔法「形成術」lv60

     光魔法「サーチライト」lv40

     空気魔法「空気圧縮」lv50

     闇魔法 「バイオコントロール」lv40

         「ダークミスト」lv45


ミーニャ 化け猫 lv5

タロ 犬 lv3 

    「逃げ足」lv8  

梅 魔蜘蛛 lv12

 スキル 「萌」lv12 和也の理想により習得

     粘糸 

     鋼糸

     擬人化


花 殺人蜂 lv46

 スキル 「婆ちゃんのお気に入り」よく働く花ちゃんは婆ちゃんのお気に入り

     「大号令」



守護者 ゼオン 長寿朴 lv85

    スキル「魂感知」



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る