第3話 パソコンが進化した!

外が騒がしい、裏庭でタロが騒いでいるようだ


裏庭?玄関につながれているタロが裏庭になぜ


「サンポ~~オウオウオウ」


「サンポ~オウオウオウオウ」


聞いたことがないタロの遠吠えが裏庭から聞こえる


婆ちゃんが裏庭の戸を開けた


「タロ!静かにしなさい!」


「オウ!オウ ォウ ォゥ」

婆ちゃんの回りに神々しいオーラが見える・・・


「和也、美菜タロを散歩に連れて行きなさい」

美恵が片づけをしながら、僕たちに命令してきた・・・


「散歩って、どこに・・・なんか怖い物も出てくるかもしれないじゃん」


「あなた勇者なんでしょ!まったく、帰ったら宿題もしなさいよ、正月だからって、遊んでばかりいたらお年玉上げないからね」


「お年玉無しは困る!明日秋葉に行って部品買ってくるんだ」


「また秋葉原いくの?あんた受験生でしょ!少しは自覚持ちなさい!」

母さんが怒りだした、途端に母さんから風が吹き始める


「ほぇ?」


母さんが起こした風は刃のように襲ってきて和也の寝間着を切り刻む


「あんた何やったの!」

母さんが騒ぐ


いや、やったのは母さんだろ・・・


「母さんは賢者って奴だろ・・・魔法も使えるって」

父さんが母さんにいう


「私なの?じゃあ試しに、それ!」


散らかっていた台所の食器が動き出す


「わああ!超能力者じゃん私!」


「ママ凄い!私もやりたい!」


美菜が母さんの元に行きまねをする、だが美菜にはできない


「美菜は武闘家だったわね」


「和也は出来るんじゃないか?勇者だろ?」

父さんが話しかけてきた


よし、ウン・・ウ・・・オオオ動く!


「父さんにもできないみたいだ、婆ちゃんは?」


「どれどれ!」

婆ちゃんがひょいと手をかざしたら、散らばっていた物は勝手に収まる場所に消えていった


「婆ちゃん!すげえ!」

皆で声が被る・・何度目だ


「私は大魔法使いだからねえ。ハハハハ」

婆ちゃんの高笑いが響き渡った


「サンポ~オウオウオウ」


あ!散歩か・・・


「またあの魔物が出るかもしれないから婆ちゃんも一緒に行ってやろう」

婆ちゃんが散歩についてきてくれるようだ、足の悪かった婆ちゃんがスタスタ歩く、いろいろ変だ


「和也は着替えてきなさい、そんなボロボロな寝間着で外歩くんじゃないよ」

母さんが言うが犯人は母さんである


自分の部屋に入り洋服を着替える


「我が主!どうだ!新勇者の気持ちは!」


パソコンがしゃべりだす、そうだった・・・・


「もう驚かない!でお前の役目はなんだっけ?」


「私はこの世界の知識も祝福により得られている、改めて勇者の小道具として我に進化の許可を頂きたい!」


「進化?って既にしゃべってるじゃん」


「私はさらなる進化ができる!」


「じゃあやってみてよ!」


「お許しが出た!では我は進化の許可を感謝する!」


パソコンが光りだした、どんどん小さくなっていく


平べったい一枚の板状だ、タブレット?タブレットなんて、性能も悪いし進化じゃないじゃん


2000年の次期タブレットは出回っているが、性能はまだ低い、専用ペンでワープロ的な性能しかなくまだまだ浸透していない時代だ


「そう言わないでほしい、我は進化している、メモリーは8TB相当まで祝福と進化で高まっている、このコンパクトな体に526PBの記憶容量をもつ、主の力が上がればさらなる進化を遂げよう」


「は?メモリー8テラ?HDD526ペタ?、そんなスーパーコンピュータを超えてるじゃん!」


「スーパーコンピュータ?いやいや人間の作ったコンピュータと一緒にしてほしくない、神の祝福を得たコンピューターである」


和也は驚くのも無理もない2000年初頭ではメモリーは128メガが主流で1ギガ2ギガのパソコンはハイスペックとされていた、HDD容量も250GBを積んでいればまあ事は足りたそんな時代だ


「ちなみにCPUはペンⅢなんだよね・・」


「ふふふペンティアムⅢ32ビットCPU、我が主は頑張っていいCPUを選んでくれた、当然進化している、処理能力は128ビットを超えている」


「はあ・・・2の128乗だから・・・」



「340澗(かん)になります」


「はあ?32ビットの何倍?」


「43億×43億倍です」


「ほえ・・・」


「実際そこまで活用は出来ません、メモリーが追いつきませんからな・・それにこの世界では計算能力よりも記憶能力の方が大きい、それとAI機能です、私自ら考案して主人を助ける魔道具となります、前世界の記録など様々なものを私は記憶しています、さてさらなる進化でご主人と一体化致すが準備はいいか?」


「ええ?一体化?」


「そうです、ご主人が考えれば私は現れ一緒に考えましょう」


「ほ~どうなるの?」


「こうなります!」


タブレットになったパソコンは更に光だし僕の手の中に吸い込まれていった


「なくなっちゃった!バイトで一生懸命貯めて買ったパソコンが・・」


{大丈夫です!存在します!さあ着替えて散歩に出かけましょう、康江殿が追従してくださるなら安心だ!}


頭の中に語り掛けてくるパソコンの声・・・


「お兄ちゃん!いくよ!」


美菜がドアを開く、その時の俺はパンツ一丁だった


「まだ着替えてないの?まったく外で待ってるからね」


そこは・・キャアとかじゃないのか妹よ・・・




***********


和也はスキル「パソコン召喚」を覚えた

美恵はスキル魔法 「エアカッター」を覚えた


和也 勇者Lv1

ユニークスキル「パソコン」lv80

美菜 格闘家lv3

和義 戦士 lv50

美恵 賢者 lv45

    魔法 「エアカッター」lv25

康江 魔法使い lv95

スキル 魔法「火球」lv87

ミーニャ 化け猫 lv5




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