平凡、非凡。社会には、自然とその差を作る力があるのだろうか。"平凡な"主人公の真良湊は"非凡な"友人と幼馴染を持ち、それを受け入れて生きてきた。
しかし2年の新学期、一つの挨拶がきっかけに、大きく環境が変わってくる。その中で彼は誤解や、人間関係、そして自分との葛藤を感じながら、少しずつ変化していく。
優秀な友人を持つ主人公、という物語は結構ある。この物語の魅力はやはり登場人物の感情にあるだろう。深く、曖昧に、でも断定的に考えてきた主人公が、次第に見えていなかった社会を知っていく。私の周囲も実は...なんて期待してしまうのは、作者の文章表現の巧さだろうか。