ひかりのこ(19/09/17 改訂)

涙の漏れた少女たち

が仲間を増やしつつ、

西へ向かうのを見た

地平のきわで彼女らが

平熱の太陽になったとき いくつものワンピースが

祈りを聞きながら倒れていく


そうだ 

あれはひどく小さなかさぶただった

横断歩道をきちんと渡って 戦争に行ったっきりの

きみの擦り傷だけを

今でも覚えている


光の長さを知らないから ぼくは

色彩を信じられなかったし

廊下のはじでとめどなく

まとまりを無くしつつあった


 ──ほんとうに、終わるのですか

さあ、それはまだ


今度こそたしかな明日あす

どこまでも続いていますようにと

あやまりながら祈っている


夜明け、

走馬灯はとつぜんに花開く

数字にまとまった 名も無き人らは

つま先から光の子へと生まれ変わって

白い空にむかって ゆっくり歩みはじめていた

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