水の処方箋

鈴木歯車

藍色ドライ・シロップ(19/01/22)

 本の中には病気しかないよ。粘度の

かぎりなく高い泥の中を泳いで,しんとした警告とともに20歳になった

確かに言ったさ,過ぎ去った諸々はいつか魚になるって。

振り返ると記憶とノウハウは自然力の葬式に列をなして藍色/藍色/藍色。

苦い煙のイニシエーションを終えて、あえなく問題用紙に逆戻りする。地球なんて青い琥珀、インテリアの化石!ぼろぼろの宇宙船さ、ホラまた,存在を掘り起こしに調査員が派遣されていくじゃないか。おれの匂いは腐った調味料、冬の熱っぽい日には恐竜の影がたしかに生きているんだ。無味無臭の影がまだそこで揉まれては姿を消す。


この気持ちなんだろう?

おれ死にてえのかな?

良いことひとつも無かったくせに、シミったれた反省会なんてしたくなるから冬はきらいだ。

ときおり息のつまる夢を見て目を覚ます。でも精神科なんて結構です、こんな乾ききって、ぼくも皆も極度に薄まったコンクリートなんで。くだけた砂場の中、即興でしゃべった音階がすぐ答えに祀り上げられて、嫌になる嫌になる。


白い。ひどく白かったのだ。


そう無人駅だ!

「終点……『百葉箱……百葉箱……』」俺たちは感動したんだ、あの時。千の弱音で俺を刺す森林。夏の音を探そうとあてなくバスに乗る。終点はもう知らなくていい。乾ききった頓服薬のような関係だ。「儚い」って歌うのがよくわかって悔しいね。世界中の雑草に水をやった後は、どうにか目に入るものだけ片付ける。どろどろの冷や汗、もうあの味に悩むことはないだろうドライ・シロップ。"助けてくれてありがとうございます"と言葉少なに、乾ききった俺はリターンする。――かなりの余力を残して不発音とともにまた落日。

「すべては肯定も否定もなくただ黙っているのみで」誰かが言っただろう一番黒い夜,関節をすべて外したような詩をこそこそ、そしてまた日が暮れる。

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