第69話 激突!!

 いくぞスプリィム!

 ダークマター、全力全開──!!


「きゃあぁぅっ!?」


「ゆゆゆ揺れるニャゥ~」


「……止まった……いいえ、止められたのですわ!」


 ──っ!? 硬っ!!

 止められちゃったか……。

 流石に一撃で突破は無理だった。


『ふぅ……フフフッ、その程度かしら?』


「そんなわけないでしょ! 勝負はここからだ!!」


 ダークマター、集まれ!!

 ニセ隕石をもっと強く! もっともっと強くして!!


「うニャナナナッ!!」


「ひいぃっ! ダークマターですぅ!?」


 ニセ隕石とバリアーの衝突で、ダークマターがバチバチ弾けてる。

 黒い光の花火みたいだ。


「凄いですわ! 少しずつバリアーを押し込んでいますの!!」


『生意気ねぇ……だったら少し本気を見せてあげるわ』


 ──!? バリアーが分厚くなった?

 マズい、押し返されるっ!!


「ひうぅっ、ミシミシ鳴ってます!」


「制御不能だミャ~」


 くぅっ……ダークマターを操りきれない。

 このままじゃバリアーを破るよりも先に、宇宙デブリがバラバラになっちゃう。


「そろそろ限界かも……!」


「分かりましたわ、では次の作戦にうつりますわよ!」


「了解ニャ!」


 こういう事態も想定して、立てておいた緊急作戦。

 作戦の第二段階だ!


「エルリン、任せた!」


「任されましたわ!」


 まずは、宇宙デブリを丸ごとエルリンに任せちゃう。

 これで私は、宇宙デブリに使ってたダークマターを、自由に使える!


「うぅっ……これは……ワタクシの力では、数秒しか維持出来ませんわ……」


「それだけあれば十分!!」


 次! 私のダークマターを宇宙船に集中だ!

 ダークマター、全力で宇宙船を強化!!


「エルリン、もう大丈夫だよ!」


「分かりましたわ、宇宙デブリを手放しますの!」


 あぁ……せっかく集めた宇宙デブリが、バラバラに散っていく……。

 でも仕方ない、力を絞って一点突破だ!

 さらに!!


「ミィシャン! 今だよ!」


「了解ニャ!!」


 実はミィシャン、宇宙船に新兵器を取りつけてたらしい。

 かなり強力な新兵器みたいから、それも使ってバリアーを──。


「ソーラ様キャノン! 発射だニャ!!」


「ソーラ様キャノン!?」


 ちょっと待った! その名前は聞いてないんだけど!?

 どうしてミィシャンまで変な名前をつけちゃうの!

 マジーメと一緒に宗教でもはじめたの?


「うニャニャニャッ! パワー全開ニャァ!!」


 おぉ? とんでもない太さのビームを発射してるよ。

 名前はふざけてるけど、性能は凄いね! 名前はふざけてるけどね……。


『ぐっ……生意気な……!』


 いける! どんどんバリアーを削ってる!!

 ミィシャンの新兵器と、私のダークマターをあわせれば、バリアーを突破出来る!


「いっけぇ! このまま突破だ!!」


「突き破るミャァッ!!」


 ──っ!!


『……ちぃっ……』


「……やった……やりましたわ!」


「バリアーを突破しました!」


 ついにバリアーを突破した!

 どうだスプリィム、私達の勝ちだ!!


『フフフッ……いいわ。そんなに死にたいなら、直接相手をしてあげる。私の元まで来なさい』


「負け惜しみだね、首を洗って──」


「ソーラ! 前ニャ前ニャ!」


「うん? うわわっ!?」


 ヤバい、本部が目の前だ!

 勢いがつきすぎてる、止まれない!!


「ひゃわわあぁ~」


「しっかりつかまるニャ!」


「激突しますわ~」


 ぶつかる~!?

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