第25話 フードちゃんに連れられて

 怪しい女の子、通称フードちゃん(さっき私が名付けた)に連れられて一時間くらい、景色がどんどん怪しくなっていくよ。

 壁や天井は金属のパイプみたいなのでびっしり埋まってて、基本的にどこも汚れてる。

 空気もじめっとしてて嫌な感じ。

 何度も階段を降りたから、たぶん地下にいるんだと思う。


「着いたよ、あそこ!」


 お、やっと到着みたい。

 場所が開けてて、少し明るくなってるけど。


「何ここ……?」


 広い。

 そして汚い。


 パイプだらけの汚れた空間に、子供が沢山座ってる。

 大人も何人かいるみたいだけど、皆あんまり元気がなさそう。

 地球でいうスラム街みたいな雰囲気だね。


「怪しい場所です……ついてきて大丈夫だったのでしょうか?」


「どうだかニャ? でもきっとなんとかなるナ!」


「お姉ちゃん達、こっちだよ」


 まだ先に進むんだ。

 一体どこまで連れていかれるんだろう?


「ここだよ、ちょっと待っててね」


 うわあ……汚いテント……。

 フードちゃん普通に入っていったけど大丈夫なのかな?

 中からボソボソ話し声が聞こえるけど。


「お姉ちゃん達、入ってきて!」


 うーん、正直あんまり入りたくない。

 けどまあフードちゃんがそう言うなら入ろうかな。


「お邪魔します──」


 ──っとおぉ! 

 入ってビックリ、汚いテントとは不釣り合いなうちゅカワイイお方が!!


「初めまして、どうぞそちらへお座りください」


「あ、はい」


 ステキな宇宙人さんだ。

 まん丸お目々に銀色のサラサラヘアー、青い肌が艶っぽい。


「妹が無理やりあなた達を連れてきてしまったこと、まずはお詫びをさせてください。申し訳ございませんでした」


 ほほう? 妹って言ったのかな?

 つまりフードちゃんが妹ちゃん、そしてあなたはお姉さんってことだよね。

 姉妹揃ってカワイイだなんて、最高すぎるな……。


「ソーラ、顔がにやけてるニャ」


「はっ、カワイさのあまりつい……」


「私はマヤマヤと申します、こちらは妹のプヤプヤです」


「プヤプヤだよ、お姉ちゃん達よろしくね!」


 マヤマヤ!

 プヤプヤ!!

 そのカワイイ名前はマジなの!? 

 特にプヤプヤって、宇宙一カワイイ名前なんじゃない?


「ソーラ、ソーラ! 私達も自己紹介を」


「あぁっ、そうだね」


 ダメだ。

 一旦カワイイから離れないと、どうにかなっちゃいそう。


「私は明峰空あけみね そら


「チコタンです」


「ミィシャンだニャ」


「アケミネ・ソーラさんに、チコタンさんとミィシャンさんですね。よろしくお願いします」


 やっぱり空って呼んでくれない、もう諦めてソーラって名乗るようにしようかな。


「長いからソーラでいいよ」


「ではソーラさん、ここへ連れてきた理由を説明させてもらってもいいですか?」


「もちろん、私達も気になるしね」


「ありがとうございます。図々しいとは思うのですがソーラさん達に相談したいことがありまして──」


「ソーラ! 私達を助けて!!」


「こらプヤプヤ! いきなりそんな乱暴にものを言ってはいけません!」


「だってぇ……」


 助けて? どういうこと?

 なんだか深刻な雰囲気。


「とりあえず詳しい話を聞かせて?」

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