私が紅茶を飲んでいる時に婚約破棄のお話するなんてどうかしているわ!!

一ノ瀬 彩音

第1話 婚約破棄する理由とは!?

私事、相羽冴子は執事である高橋浩二の事が以前から大好きでした。


浩二に婚約して欲しいと言いますと、浩二は喜んで了承してくれて

しかも私が用意した書類にまで記入して判子も押してくれたのです。


その書類はお互い一枚ずつありまして、私も浩二も大切に持っているのです。


今、私は自室に居てくつろいでいるのですけど、紅茶を飲みながらのんびりと

過ごしているのですが、隣に居る浩二がいきなり私に声をかけてくるのです。


「冴子、話があるんだ」


私は浩二のお話を聞く事にします。


「お話してごらんなさい」


「はい」


「そのな、婚約していると思うのだが、婚約破棄させて欲しいと思っている」


「私が紅茶を飲んでいる時にそういうお話をするのですか?」


「ごめん、でも、今じゃないとダメなんだ」


私は紅茶を浩二の顔にかけます。


「何するんだ」


「私の幸せな一時を邪魔したからよ」


「だからって紅茶を顔にかけるなんてひどいな」


「浩二だって婚約破棄したいんでしょ?」


「婚約破棄したいがいいのか?」


「ダメね」


「そうだよな」


私の大好きで素敵な人でもある浩二は婚約破棄しようと考えているのですけれど、

私は反対しているのです。


幸せも手放すつもりはございません。


それにやっと出会いがあってこうして幸せな道を進んでいるのに、ここで壊すわけには

いかない。


しかし、浩二は頑固なので婚約破棄を必ずすると思います。


「婚約破棄させてくれ」


「嫌です」


「婚約破棄」


「嫌です」


「婚約破棄!」


「嫌です」


「婚約破棄させてくれ」


「嫌なものは嫌です」


「冴子も頑固だよな」


「それはこっちのセリフ」


私も浩二もなかなか思いを捻じ曲げないので困ります。


このままでは平行線をたどるだけなのでどうにかしないといけないです。


どうすればいいのかなって考えているのですけれど、

浩二の婚約破棄する理由って何でしょうか。


「浩二、婚約破棄する理由を教えて」


「それはな、冴子と将来を一緒にやっていく自信がないのと

身分違い、後は相性が悪い」


「他は?」


「俺は尽くすタイプじゃないから冴子とはもう付き合えない」


「なるほど」


「そういう事だ」


「わかりました、婚約破棄を認めましょう」


「そうか、ありがとうな」


「しかし、最後にキスして下さい」


「わかった」


婚約破棄が成立したけれど、私は最後に浩二からキスされて別れるのでした。


このキスは一生忘れないでしょう。

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私が紅茶を飲んでいる時に婚約破棄のお話するなんてどうかしているわ!! 一ノ瀬 彩音 @takutaku2019

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