第41話
「私、何でもするから……
伸二の為になんでもできるから……」
深雪の涙が背筋を通る。
腕はガクガクと震えている。
「私じゃダメかな?
力になれないかな?」
ま
るで、ゆっくりと去る電車の音の様に、深雪の声は、切なく・・・
そして小さくなっていた……
俺が守りたかったモノ……
それは……
「・・・・」
俺は、重い唇を開けた。
真実とは、時に残酷で、逃げたくなる。
だけど、一度逃げてしまえば、次は逃げてしまった事に逃げてしまう。
だから、どんなに逃げたくても、真実と事実からは逃げてはいけないのだ。
だから……
俺は……
「違うんだ深雪……」
そう、俺が守りたかったモノは・・・
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