第33話
「深雪。
俺って、幸せになる資格あるのかな?」
深雪は、ゆっくりと俺の体を抱きしめた。
「あるに決まってるじゃん・・・」
深雪……
深雪、お前はあの時、死んでいた。
そのお前を救う為に協力してくれた銘が死んだんだ。
俺が銘を救わなかったばかりに・・・
俺は、心の中で銘に謝った。
そして、生まれて来るはずだった悠多にも・・・
俺は、前に進まなければいけない。
きっと、こんな俺を銘が見たら説教するんだろうな……
年下の癖に俺より大人で・・・
そして、他人への思いやりが人一倍強かった。
俺は深雪の体を強く抱きしめた。
「三人で、幸せになろうな……」
「うん。
絶対だよ……
絶対だからね……」
「ああ、ありがとう」
「うん……
ありがとう……」
俺は背負っていかなければいかない。
この重みは、今思っていることよりも遥かに思いのだろう。
だけど、それを深雪にまで、背負わせる事は出来ない。
俺、一人で背負っていくんだ・・・
銘は恐らくこうなる事は、想像できていたのだろう……
なのに、俺に力を化してくれた。
俺たちの物語は、ここで終わり・・・
そして、ここから始まるのだ。
俺達は、明日の休暇届を会社に出した。
暇な時期だった為、あっさり休暇届を受理する事が出来た。
俺は、深雪の父親に会いに行く
そして、きちんと報告するんだ。
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