第19話
待ち合わせの時間になっても、深雪は来ない……
いつもの事だ……
深雪は遅刻魔だからな・・・
だから、予定の時間よりかは、早めの時間を伝えるようにしている。
それでも、俺は予定の時間よりも60分も早く来てしまった。
「たまには、こっちが遅刻してやるか・・・」
俺は、そう呟くと待ち合わせの場所から少し離れ、昨日の写真の場所を探す事にした。
写真の写っていた場所・・・
それは、二人が出会うきっかけとなった迷子センターの前だ。
これは、俺が幼稚園の遠足で水族館に来たときの話。
親とはぐれてしまい。
どうしていいかわからない俺は・・・
自分から迷子センターに向かった。
しかし、迷子センターまで来たのは良いが、どうすれば良いのかわからなかった。
俺が、そうやって迷っていると見知らぬ女の子が声を掛けてくれたんだ。
それが、深雪だった。
「一緒に中に入りませんか?」
俺はその声で、我に返った。
俺は、ゆっくり振り替えり、声の方に目をやった。
そこには、嬉しそうな顔をした深雪が立っていた。
時計を見ると、9時30分。
「あれ、遅刻していなかったんだ……?」
つい、思った事が口に出てしまった。
どういう事なんだろう??
俺の知っている世界では、深雪は遅刻していたはずだ・・・
俺が過去に来たことで、少しは変わったのだろうか・・・?
「ん?何の事?」
深雪は、不思議そうに俺の顔を見つめた。
「あ、いや・・・おはよう」
「ん♪おはよう」
深雪が物凄く機嫌がいい気がするのは気のせいだろうか?
深雪は、小さく鼻歌を歌っていた。
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