第6話



彼女の体は、思った以上に冷たくなり……

そして、硬かった……


綺麗な、その体は温め直せば、


「も~!信じられな~い!」


と、膨れた顔で怒鳴り散らして来そうだった……


だけど、もう動かない……

何故ならもう……

彼女は死んでいるのだから……


彼女は、友人に見送られる中、葬儀が行われる中……

俺は、彼女との思い出が走馬燈のように回り巡った……


それは、深雪の父親も同じだったらしく……


葬儀が、終わってから、深雪との思い出を話し合った……


いつまで、おねしょをしていただとか……


告白された。

チョコを作った……


一人暮らしを始めると言った時、寂しかったとか……


俺の知らない、深雪の一面を沢山知った……


俺は、気付いた時……

俺は眠ってしまっていた……


それから、一週間……

俺は、仕事を休み、ずっと家で眠っていた。


職場では、深雪が死んだ事がまるで嘘のように、仕事に励んだ……


それから二年が過ぎた頃……


一人の少女が、研究室にやってきた。


「あの……

 私、春雨銘と言います!

 まだ、解らない事が沢山あると思いますが、よろしくおねがいします!」


何処かで見た事があると感じた……


それは、向こうも同じらしく……


「あ、あなたは、あの時の命の恩人さん!」


銘が、そう言った時、俺の頭に、あの事件の記憶が過ぎった……


「あぁ……

 あの時の……

 ポニーテールの……」


髪は、切ったのか、現在は、ショートカットだった。


命は繋がっていた……


なぜだか、その時、俺はそう感じた……


それからと言うもの、彼女は俺に懐き、ことある事に、俺にちょっかいを出して来た……


やがて、俺の中で、深雪の存在が消えかけた、あの事件から四年後……


俺は、銘と結婚した……


皮肉にも……

あの事件のあった場所で、プロポーズされて……


それから、間もなくして子供が出来た……


名前は、ユウタ。

悠久の悠に夕日の夕で、[悠夕]


子供ができると時間が経つのが早いのか……

悠夕は、小学生になった……

丁度、その頃、世の中に[タイムマシン]が出来た……


俺は、ふと深雪がこれで救う事が出来るのではないかと……


しかし、金額は400億……

とても、買える金額じゃなかった……


研究員の仲間の誰かが言った。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る