桜の木の下で婚約破棄される私

一ノ瀬 彩音

第1話 桜の木の下

私事、鈴木聡美スズキサトミは年齢23歳で

職業OLでございます。


婚約している人のお名前は門脇郷カドワキゴウ

年齢23歳で職業サラリーマンです。


私は郷さんに呼び出されてなぜか知りませんけれど、

桜の木の下に居ます。


どうして桜の木の下なのかはわかりませんけれど、

知らなくていいとは思うのでどうでもいいです。


私が桜の木の下で待っていると郷さんが来て

私に声をかけてくるのです。


「悪いな、遅くなって」


「ううん、私も来たところだよ」


「そうか」


「それよりどうして桜の木の下なの?」


「俺が桜が大好きだから」


「それだけの理由でここで待ち合わせたの?」


「そうだ」


「はぁっ、そういう事なのね」


郷さんは桜が大好きだそうで、それで場所を桜の木の下に

指定したというのがわかりました。


しかし、桜の木の下なのはいいけど、さっきから虫が飛んでて

本当に嫌です。


「郷さん、場所を変えませんか?」


「嫌だ」


「虫が気になってね」


「無理だ」


「どうしてですか!?」


「桜が大好きだからここでいい」


「そんなっ」


郷さんは桜からは離れるつもりはないようで私は困りますが、

それでもここに居るしかありません。


「聡美にお話があるんだよ」


「何よ」


「単刀直入に言うぞ」


「う、うん」


「婚約破棄するぜ!!」


「はぁっ!!」


「婚約破棄~イェイ~」


「イェイ~じゃないよ、馬鹿でしょ」


「馬鹿じゃない、婚約破棄するからな」


「勝手にしてよ、ご自由にどうぞ」


私はこの虫が気になってて早く違う場所に行きたいので

お話が早く終わって欲しい。


「そういう事だ、じゃあな」


「じゃあね」


郷さんはお話が終わると何処かへ行ってしまうのです。


私は一人取り残されていますが、私も移動する事にします。


移動した私は気になる虫から解放されて安心するのです。


婚約破棄された私はもうどうでもいいのでホッとしている。


別に婚約破棄されてもぜんぜん何も思わないので

あんまり気にしていない。


これで気持ちを切り替えて新しい出会いがある事を

祈ります。

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桜の木の下で婚約破棄される私 一ノ瀬 彩音 @takutaku2019

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