第四五七回 ゼロから始めたストーリーの本質は、ここに。
――それは、僕自身を意味しているのだと、
場所は、桃色のカーテン靡くお部屋。二人が向かい合わせる静寂な時間の流れ。湿気が絡み合う風は……ケロリンが奏でる音色を、そっと……そして優しく運んでくる。
初夏を飾る今この時。
……本当なら、修学旅行の真っ只中になるはずだった。
そこで
その鍵を握っているのは梨花。
……推測するには、プロジェクト・ウメチカが大いに関連している。梨花にはあるミッションが課せられているそうだ。とはいっても、まだ極秘裏な部分もあるそうで、詳しくは教えてくれなかった。ただ……冒頭でもあったように、僕の中にあるそうなの。
――プロジェクト・ウメチカの設計図というべきもの。
それは僕の体内? それとも脳内? なら炙り出し……とか、僕の素肌に。というような質問をしたらブンブンと、梨花は顔を横に振ったから、SFチックやファンタジーのような展開はないようで……内心、ホッとした。あったら、今後のウメチカのジャンルが大いなる変貌を遂げてしまう。やはりウメチカは等身大の、リアルなお話なのだ。僕に超能力とか、そんな感じの展開はないと断言する。等身大の女の子なのだ。
梨花は、もう読んでいた。僕のエッセイを。
千のストーリーのお話を。昨日の、または前回の僕の決意。それを表明したエピソードを読んだから、そう思ったそうなのだ。僕は梨花との息もピッタリに、正式にこの場に於いて、ウメチカの千回の連載を心決める運びとなった。やはり執筆が大好きだ。
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