第四五五回 久しぶりに快晴なビューティフル・サンデー。


 ――今日もパパと一緒にコインランドリーへ。この頃は、もう週一の日課となった。



 三週続けて日曜日。前回と前々回は雨。回を重ねるごとに、雨の激しさも増していたのだけれど、今日は予想外の快晴。晴れ渡る青空となった。しかしながら、込み具合は半端なく……駐車場は満車。四台の洗濯機はどれも使用中で、空くのも六十分後とか……



 そこで心を決めるの。つまりは、パパの決心に懸かっている。


 決断の刻、それは車の中で。運転席のパパと助手席の僕……表情を読み合うも野太い声が響く。「千佳ちか、パパと少しばかりドライブしてみようか? たまには違う景色もいいもんだぞ」と、それでも穏やかにパパは言う。丁度そんな時だ、ドアを叩く音。車のドアを叩く音が聞こえるというよりも感じる響く。ウインドウを開けると、ヒョッコリ顔が出てくる。可奈かなの……僕を上目遣いで見ている。それでもって僕は訊く、訊くといっても、


 それは尋ねる方。質問する側……


「どうしたの、可奈?」


「今日も来ると思ったから、大体この時間ね」


 見事に特徴を掴んでいる。僕らが此処を訪れる曜日も、その時間帯までも。車の形やナンバーも覚えているように思える。可奈は多分……探偵にもなれそうな気がする。


「何マジマジ見てるの? 梅雨時期だからね、混み合うの。

 ねえ、付き合ってあげよっか。どうせ違うコインランドリーまで行くんでしょ。手伝ってあげるよ、それに可奈お姉ちゃんが、あなたの相手してあげるから」……と、言って可奈も同乗した。ある意味、可奈の言う通りで、僕と梨花のお母さんと可奈のお母さんは姉妹で……言うなれば、僕らも限りなく姉妹に近い従姉妹なのだ。親族の中でも、血縁は濃い方かも。以前は、仲良し三人組というお友達の関係だったけれど、もうそれも超えてしまって、ファミリーという感じとなっている。なら、その会話も姉妹の会話。……そういうことになると思うの。まあ、いずれにしても、楽しいドライブとなったようだ。



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