第三五四回 繋がるもの。それは其々の端末。


 ――僕は、初めの頃はスマホだったけれど、本格的に執筆を始めてからはPC。



 アカウントとかの設定は、……うんとね、詳しくないの。そこは梨花りかに手伝ってもらって……のはずだったけれど、結局は可奈かなの力に頼りっきり。梨花と二人、その行く末を見守るだけだった。それでも、可奈は楽しそうだった。この間の『なりすまし』も……


 楽しそうに語る語る、僕のいない所で、せっちゃんに。



 可奈にしてみたら武勇伝で、その『なりすまし』を巧みな技で追い詰め、確保。見事なるハッカーの腕前で……って、あっ、それ明かしちゃ駄目ダメ。今度は可奈がジャッジメントによって確保されてしまうから。――なら、交換条件だね。


 ……生徒会。


 可奈が生徒会の一員になることを薦めた。せっちゃんと学校は違うけれど、可奈には学園の……私立大和やまと中学・高等学園の生徒会の一員になることを条件に持ってきたの。


 断れば、ジャッジメント。


 断らなければ、その能力を学園で発揮してほしいと。


 せっちゃんだけに、切に願うのだ。何故なにゆえそうまでして願うのか? それは、ネット犯罪から守れる力が欲しいから。いじめはネットの世界にも蔓延はびこる……そうらしいの。


 だからこその、羨む能力ちから


 ジャッジメントされる側が、ジャッジメントする側に転じて。くどいようだけれど、切に願うの、せっちゃんは。――すると、可奈は言う。マシンガントークではない一言を。


「じゃあ、あなたも覚えなさい。

 私が手取り足取り教えてあげるから。でも覚悟して心してね。教育ママ直伝のスパルタでいくから」……って、可奈も教育ママの娘で、きっと似たような環境にいたのだろう。


「OK。……やっぱりそうだったのね。私は慣れっこだから。ともに切磋琢磨せっさたくましよっ。私たちの関係は、きっとそうだから」……まあ、そんなやりとりがあったそうなの。



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