第三三〇回 あさいち!
――今日はもう
そう自覚するには、少しばかりのお時間が必要だった。
脳はまだ夢の中で、ぼんやりと白い世界が広がる。ちょっぴり冷たく感じる空気。息まで白くならないけど、お布団の中の温もりを合わせると……露天風呂のようで。
でも、まだ夢の続きなら……海の中。
僕らはマーメード。お布団の中は
重なる唇……
で、パチクリと目を開く梨花……
「ちょ、ちょっと
「おはよっ、梨花」
梨花は面白い顔……ではなく、戸惑った顔?
僕はまだ、それほど実感はなく……まだ夢の中にいるようで。
「目覚めのチュー?」
「うん、そんなとこ」
夢と
「おやおや、本当に仲がいいのね」
と、声が――。お部屋に、お祖母ちゃんの姿が。そして僕の声と梨花の声が呼吸もピッタリに、声質もピッタリで、綺麗なハーモニーを奏でたの……
「おはよっ、お祖母ちゃん」と。
「おはよう。梨花、千佳。今日はお祖母ちゃんと一緒に、
……羽根つき? って何? という具合に僕も梨花も、わからないことで。
「そんなに心配せんでも、お祖母ちゃんが教えてあげるよ」……と、言ってくれた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます