マナーの美しい結晶

古新野 ま~ち

第1話

マナーといわれて容易に定義できる人は少ないと思います。私もそうです。辞書から引用すれば楽ですが、それを生活で実行するとなると作法などがいくつもあり難しいですよね。


先日、マナー講座に参加する機会があり、私は落書きしながら講師の話を聞いていました。マナーの基本精神から顔の表情やお辞儀の角度といった、定番といえるもののなかに、ふと見慣れないものがありました。


それが、水の研究。IHM総合研究所の江本勝氏が、「ありがとう」と「ばかやろう」を聞かせた水の結晶をそれぞれ作ったところ「ありがとう」は美しい結晶ができたそうです。たいして「ばかやろう」は汚いそうです。


私は一応義務教育は出ているので、嘘だとわかりました。結晶はそんな条件でおこるものじゃないからです。また言葉なら例えば「Thank you」とか「謝位謝位」などではどうなのかや、「ありがとう」と韻を踏んでいる「マキバオー」はどうなのか、また発話者は蟻が10匹で「ありがとう」と言っていたら、など疑問がいくつも出てきました。


しかし誰も異を唱えず講座は進んでいった。一応言っておきますが、参加者全員、社会人です。


さて、私は別にこの嘘を批判するだけでは、どうも腑に落ちない。なぜ、マナーを語る上で虚偽を混ぜなければならないのか。


次章で、私の見解を述べたいと思います。

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