「秋山が立たされた理由」欄のある学級日誌 29冊目✨
如月 仁成
予告編 セツブンソウのせい
~ 二月二日(日) ~
セツブンソウの花言葉 人間嫌い
ねえ。
ねえじゃなく。
寒いと、まっすぐのびるものってなあに?
なあにじゃなく。面接、連絡しなさいよ。
……なんかね? こう敗戦続きだとモチベーションが保てないの。
なんて我儘な。
試験する人がね? みんな鬼に見えるの。
面接官は逆の気持ちでしょうね。
どういう意味?
面接が終わって君を追い出す時、塩と豆とどっちをまいたものか悩んでいると思うのです。
はっ! 豆まきしなきゃ!
……フライング。
フライング?
はい。
それ! 採用なの!
採用ってどういうこと? …………ああ、なるほど。空から絨毯爆撃して追い払おうというのですか、鬼を。
ドローンやさんに連絡するの。
今のを五秒くらいで理解できた俺自身に恐怖なのです。
面接する人はね? きっと本当に鬼だからあたしのことを落とすの。この町から追い出すの。
面接する人がいなくなったら、君は就職できないと思うのですが。
………………正解の道久君に五ポイント。
いりません。ほら、鬼の機嫌を取って、頑張って就職先を決めてくるのです。
ぴっぽっぱ。…………あ、もしもし。そちらで働きたい者なの。鬼の面接官のご機嫌を取りたいから、お取次ぎをお願いしたいの。
…………おい。
切られたの。
当然です。
きっと、人間嫌いなの。鬼だから。
いいえ。きっと、鬼が嫌いなのです。人間だから。
…………それって、あたしが鬼のように可愛いって事?
俺は、口の減らない鬼に。
力いっぱい豆をぶつけてやりました。
しかし、鬼可愛いって。
変な言葉なのです。
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